204話 料理自慢
「ん〜美味しかったね! これはもう人生でほぼ1位確定だね!」
「いやいや、ほぼってなんだよ。同率1位があるとか?」
これだけ美味しかったんだから1位確定でいいと思う。俺の場合、葵とか鈴が作ってくれた料理の方がなんだか好きなんだけどね。愛情の差だろうか。
「1位はやっぱり祐くんのご飯だね。もうこれには多分ミシュラン三つ星でも勝てないよ」
同じこと考えてた!? すごい恥ずかしいんだけど!
「へぇ。神子戸くんって料理上手なんだ」
「あ、莉子ちゃん。そうなの。祐くんすごく料理上手でね。それはもう最高で最高で」
ここでまさかの乱入者、田中莉子さん。テーブルの垣根を超えての乱入だ。
「葵ちゃんの舌を唸らせるとは神子戸くんの料理は本当にすごいとみた。と、言うわけで今度お邪魔していい? 私もちょっとでいいから食べてみたい!」
何がどうして「と。言うわけで」なのか全くわからないけどとりあえず葵が断ってくれるはずだしいいことにしよう。
「もちろん良いよ! 祐くんの料理すごいってことを莉子ちゃんにもたっぷり知ってもらうよ! あ、でも祐くんの妹の鈴ちゃんが受験生だから私の家なら良いかも」
「ちょっと葵!?」
俺の預かり知らぬ所で勝手に利用を振る舞うことが確定すると言う謎なことになってしまっている。葵〜、そこはテレパシーで分かってくれ〜。
鈴のこと考えてくれてるならもうちょっと頑張って俺のことも考えて欲しかったな!
「あ、ごめん祐くん! 勝手に決めちゃって。祐くんのこと全然考えてなかった。すごく料理上手って莉子ちゃんに知って欲しくて…」
「あ、いや。問題ないよ。こうなったら俺も頑張るよ。ただ葵にはもちろん手伝ってもらうけど」
「ありがとう祐くん!」
「…。神子戸くんって葵ちゃんに過保護じゃない? 今ので受け入れてくれるってなかなかだよ?」
「まぁびっくりしたけど。それにさ」
ここで葵に聞こえないように田中さんのほうによってヒソヒソと話す。
「よく考えたら葵と一緒に料理したことなかったし良いタイミングだと」
「なるほどなるほど。私は2人のイチャイチャを見せつけられる訳ですね。なんてことなの。私も早く彼氏欲しい! とにかくならいつかお邪魔するね」
「ちょっとちょっと! 2人で何話してるの!」
「葵ちゃんは愛されてるなぁって話。この幸せ者!」
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