199話 修学旅行開始!
「ふふふふーん。楽しい楽しいしゅうがくりょっこうー」
「まだ着いたどころか新幹線にも乗ってないけど」
「んもうっ! 家を出たら修学旅行だよ!」
今俺はたちは最寄りの新幹線に乗れる駅のホーム。1学年分200人が一気にホームにいるのでなかなかな光景だ。これを乗り降り2分くらいで済ませるとか絶対無理だな。
「ただ残念だよ。祐くんの隣がよかったのに…」
「こればっかりは仕方ないだろ。男女席は別なんだから」
「そうそう。葵ちゃん今は神子戸くんは諦めて私たちとお話ししよ。2人のこと根掘り葉掘り聞いちゃうからね!」
女子たちがなんか不穏なことを言っている。そんなことしなくていいから普通のお話を楽しんで欲しい。
「祐輔。俺たちも恋バナするか?」
「えー。進の惚気話とか嫌だよ。絶対やばいやつじゃん」
「やばくないし。絶対祐輔の方がやばいし」
何故か俺は進と無駄な言い争いをしていた。ってそんなことをしているうちに新幹線がやってきた。
アナウンスと共に新幹線がホームに入ってくる。うーん。やっぱりかっこいいわ。この車体。最高。
「それじゃみんな突撃〜」
やけにテンションの高い先生の掛け声でみんなが新幹線に乗車する。ただやっぱり荷物とかがあってなかなか後ろの人が入れそうにない。
それでもなんとか(予定時間を少しオーバーして)乗り込んだので後は京都へ一直線。乗り換えがないのが本当に救いだよ。あったら大変過ぎる。
「ふふふ。それじゃあ根掘り葉掘り聞かせてもらおうかね祐輔」
「朝早かったしもう寝よ」
「ちょいちょいちょい! それはないだろ!」
「冗談だって恋バナはなしにして何する? 周りの人も誘ってトランプでもするか?」
「それがいいだろ。おーい。みんなトランプしない?」
クルッと椅子を後ろに向けてグループを作る。そこで俺たちは楽しくババ抜きとかをやって時間を過ごした。
一方その頃私、若宮葵はというと。
「葵ちゃんってほっぺたぷにぷに〜」
「ほんと、ほんと。神子戸くんにあれだけ愛されてるからじゃなーい?」
3列ある席の真ん中にいる私は両サイドの友達からほっぺたをぷにぷにされていた。私、そんなにぷにぷにのかな?
スポーツしてるからどっちかというと引き締まってるって感じなんだけどな。でも祐くんも柔らかいって言ってたよね。
「ほっぺはこんなに柔らかいのに余計なお肉は全くないよね。葵ちゃんやっぱり部活やってるからかな」
「お腹まで触らないで〜。私も美来ちゃんの触る〜」
っていう感じで私たちは一駅分くらいこうやってお互いにぷにぷにしあっていた。
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