195話 結果発表
「それでお兄ちゃん、今日の選挙どうだったの?」
葵にたくさん癒してもらってから晩ご飯を作って鈴と食べていたところ。今日は簡単に出来る麻婆豆腐。
「ん? なんて言うか。ちゃんと喋って後は野となれ山となれってって感じだな」
「えー。もうちょっと情熱的なエピソードとかないの?」
そんなのそんなにないし。だいたい進の演説とか鈴には言えないと思うし。
「そんなエピソードは無いんだよ」
「そっか〜。明日結果発表でしょ? お兄ちゃんが当選した時のために明日は私が超豪華な晩ご飯を準備しておいてあげるね」
「いや、それは悪いよ。それに当選するかとかは分からないし、何より鈴にそこまでしてもらうのは良くないと思う」
受験生とかそんなことは関係ないとは言っていたけどそこまでしてもらうのは申し訳ない。
家のことを手伝ってくれるのはありがたいんだけどね。
「ええ! いいじゃんいいじゃん! 身内にいいことがあったらお祝いしたいもん!」
「そんなとこ言ってももしダメだったらどうするんだよ。鈴の学校スマホ持って行ったらダメだろ?」
「もしダメだった時はお疲れ様会と言うことにしよう。だからとにかく明日は期待しててよ!」
もはや有無を言わさぬという感じの鈴に俺は大人しく「ありがとう」とだけ言っておいた。
そして次の日。朝のホームルームの時間に選挙管理委員長が放送でどうなったかを発表する。
「ドキドキするね祐くん! やっぱり祐くんなのかな?」
そうこうしていると、放送が始まった。
「選挙管理委員長です。昨日行われた生徒会長選挙の結果についてお知らせいたします。当選者は神子戸祐輔さんです。繰り返します…」
「やった! やった! 祐くんだ! すごいねよ。私の祐くんすごいよ!」
「ちょっと葵静かに!」
「と、いうことで生徒会長は神子戸に決まった。神子戸は放課後生徒会室に行くように。これから1年神子戸頼むぞ」
「ごめん葵。今日部活無いのに一緒に帰れなくなった」
ちょっとの用事なら待ってもらうのもいいかもしれないけどさすがに今日はいつまでか分からないし、帰ってもらった方がいいだろう。
「これは仕方ないよ。祐くんとにかくおめでとう」
「うん。ありがとな。葵の応援のお陰だよ」
進にも本当は感謝しないといけないんだけど、演説の内容がわやだっただったしいっか。
とにかくこうして俺たちの新しい一年が始まるってことだ。今は2学期中頃だけど。
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