194話 お疲れ様と再確認

「よしよーし。祐くんお疲れ様でした」


 俺は今何をされているのだろう。それを言うのは簡単だ。葵に膝枕されて頭をよしよしと撫でられている。


「俺、なんでこんなとこされているんだ?」


 部活が終わって葵が家に来てって言うので行ってみたらこれだ。


 何故か俺は葵に膝枕されてよしよしまでされている。俺はそんな歳ではないとだけ言っておく。


「それで葵。こうしてくれるのは嬉しいんだけどそろそろ終わってもいいんじゃないか?」


 あれこれこれで10分はこうやってされている。葵は未だに楽しそうに、嬉しそうに。


「ダメだよ。祐くん今日はすごい頑張ったんだからこうしてゆっくり癒してあげたいの」


「なんだかお姉ちゃんみたいだな」


「それいいかも! 私一人っ子だし祐くんみたいなかっこいい弟だったら毎日抱きしめて寝ちゃいたい」


 しょっちゅう葵に抱きしめられて寝てますよと言いたいけど自分の世界に入ってる葵に言っても意味無さそうだし黙っておこう。


「祐くんやっぱりみんなの前に立ったら緊張した?」


 ちょっと真剣に聞いてきた葵。それでも頭を撫でる手は止めない。


「そりゃあ少しは緊張したけどもう喋ってる時時とかは無我夢中で緊張とか分かんなかったかな」


「なるほどね。本当すごいよ祐くん。あんな人の前で喋るなんて私なら出来ないよ」


「俺もそうだったけどさ。やっぱり葵とのこととか考えてたら耐えれたんだよ。中学の時とか」


「それはとっても嬉しいな」


「葵がいつも俺に元気をくれるんだよ」


 葵の笑顔がどれだけ元気を勇気を俺にくれたか。笑顔には人を幸せにするって言われてるけどそれは本当だ。


 だからこそ俺は立てる。俺の横に葵がいてくれるから。


「祐くんってそういうこと言ってくれるから好き」


「別に格好つけたいわけじゃないんだけど」


「知ってるよ。祐くんが本当に心から私を慕ってくれるから嬉しいの」


 すごくキラキラした目で俺の方を見つめる葵。そりゃあ俺は葵のこと心から好きだと言える。それは今に限ったことじゃないと思うんだけど。


「分かってるよ? ただこうして言葉にするともっと伝わるでしょ?」


 なるほど。確かにすごい葵の気持ちが伝わってきた。なら俺だってもっと伝えたい。


「葵。愛してる」








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