189話 結局は

「ありがと祐くん。すごく良かった。また明日もお願いね。いや…それだと申し訳ないから明日は私がしてあげる! 日替わりにしよう」


「なら明日が楽しみだ。ってそろそろ帰らないと」


 本来の目的とは全然違う感じになったけどまぁいいか。いや、しっかり言っておかないと。


「葵、俺は生徒会選挙については困ってはいないからな。それどころか今じゃやる気満々だ。だから手伝ってくれると嬉しい」


 急に言ってしまったけど葵は笑顔で頷いてくれた。


「それじゃあこれ」


「え?」


 俺はさっき預かった写真を葵に返した。突然葵は驚いた顔をしてる。


「こういう写真とかって俺たちは1枚も撮ってないし、葵との思い出なんだから没収しちゃったら悪いだろ? これみてにやけるのもわかるけど、アルバムに入れて誰にもみられないようにしておいて欲しい」


「ゆ、祐くん?」


 どうして? という顔で俺の方を見てくる。


「彼女がこういうの持ってるのって恥ずかしいけど嬉しいじゃん」


 さっきまでと考えが180度変わってるけど仕方ない。葵の笑顔、やっぱり良かったから。そこは言及しないで欲しい。


「なら、この写真も貰ってさらに祐くんとイチャイチャできるの?」


「ま、まぁそうなるかな」


「いいの? 交換条件でってことじゃないの?」


「いいや、本音をちょっと言うと、俺が葵とイチャつきたかった…って言うのもあるんだよね…ごめんいろいろ面倒くさいことして」


 恥ずかしいとか言っておきながら最終的には葵とイチャイチャしたいとか思い出の方が大事だとか思ってしまった。


 面倒くさくて変なやつだなとか思ってしまう。


 葵にも言われるんじゃないかなと思っていたけど、葵は写真を受け取るや否や速攻で俺に抱き付いてきてそのままキスされた。


「祐くん! 祐くん!」


 そのまま押し倒される。何があった!? 


「ちゅっ。そこまで言ってくれるんだから私もっともっと祐くんとしてもいいよね。んっ…」


「ちょっと葵! はぁっはぁっ。イチャつきたかったとは言ったけどちょっと待って」


 俺が言うと名残惜しそうに葵には顔を離した。


「ごめん葵。びっくりしただけ。全然いやじゃないんだ。寧ろもっとしたい」


「うんっ! 私も! じゃあいいよね?」


「もちろん…んっ…」


 この後かなりイチャついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る