179話 選挙?
「そうなんだね。鈴ちゃん頑張って欲しいから私も出来るだけ応援したいな」
「うん。ありがとう。葵のサポートがあったらすごい鈴も頑張れるよ」
「でもやっぱり1番はお兄ちゃんである祐くんだよ。祐くんがしっかり信頼できるお兄ちゃんだから鈴ちゃんだって大切なことを相談したんでしょ?」
「そうならいいんだけど。だからあんまり家で騒がないようにもしとかないと」
今、俺たちはいつものようにお昼ご飯を外のベンチで食べてるところ。夏の間木陰を提供してくれていた大きな木はもう紅葉も終わって散り始めている。周りには落ち葉も溜まってた。
最近は少し寒くなることもあるのでそろそろ教室で食べた方がいいかも知れない。
お弁当を食べていると校内放送が。
「皆さんこんにちは。選挙管理委員会よりお知らせします」
内容は再来週に行われる生徒会選挙に関するものだった。県立十二条高校では生徒会長だけを選挙で選び、後のメンバーは生徒会長の指名か推薦によって決まる。
俺は何故か生徒会長の佐々木さんに指名された。
うちの学校は生徒会がすごい権力を持っていたり、風紀委員がめっちゃ校則に厳しいとかっていう感じの学校ではない。
ただ行事で何かするとかそれくらいなのだ。
「そういえば祐くんは生徒会長選挙出るの?」
「出ないかな。今みたいに会計とかならやりたいけど、生徒会長は俺には荷が重いよ。部活のキャプテンもやってるしさ」
「そうだね。祐くん文化祭の時とかすごい頑張ってたもん。あの時はもっと私が出来るってことを分かってもらえたし」
ひょいっとおかずの卵焼きを頬張りながらそんなことを言う葵。まぁあの時は確かに俺が悪かった。
「それで葵は出るの?」
「私は出ないよ。今年転校してきたばっかりだし私じゃ出来ないよ」
今年の夏前に転校してきた葵。俺からしたらしてきてくれた、だけど。そしてこの半年間で葵はかなり有名になった。
勉強もできるし、スポーツもいける。それでめっちゃ可愛いし。クラスのみんなともかなり仲良い。
「今年は生徒会より部活だからね。俺たちの夢を叶えるためにも」
「鈴ちゃんの受験と全国大会予選かぁ。やることいっぱいだね」
今年の冬は修学旅行もあるし、クリスマスあるし、年越しイベントもある。盛り沢山だ。
「私、修学旅行とっても楽しみなの! 北海道でしょ? 祐くんとスキーしたい!」
「そうだな。でも同じ班にならないとあんまり一緒に行動出来ないよ」
それを言った瞬間ガーンといった感じになった。それはもうやばいほどに。
「なら同じ班になれば問題ないよね! 大丈夫大丈夫!」
何が大丈夫なのか分からないけどまぁいっか。
ただ俺はこの時まだ知らなかった。この選挙がかなりなものになることを。
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