178話 清々しい姿
「それでどうかなお兄ちゃん」
「そうだな。いいと思うよ。鈴が十二条高校に来たいならそれでいいと思う」
「え〜。ちょっと適当じゃないお兄ちゃん?」
確かにそう聞こえたかも知れない。でも適当に言ったんじゃないんだ鈴。
「今、鈴と話てて1番楽しそうだったからね。でも進路を決めるのは鈴自身だ。俺でもなければ、お母さんたちでも学校の先生でもない」
俺の時もそうだった。いろいろ悩んで、最後は自分で決めなさいって。俺も他人事だぁと思ったけど、あそこで自分で決めなかったら後悔してたと思う。
何か出来なかった時に他の人に責任を押し付けたりしそう。ここは俺が選んだところじゃないとか言って。
「俺は今いろんな高校の話をしている鈴を見て十二条高校が1番楽しそうに喋ってたって思っただけだ」
オープンスクールに行ってみてどうだったかとかも聞かせてくれた。どこの高校もしっかりリサーチもしてた。
「最後はやっぱり鈴が決めるしかないよ。でも鈴が決めたことを俺は絶対に応援する。もし十二条高校受けるので勉強で分からないところがあるなら俺が全力で教えてあげる。合格してハードボールしようぜ」
「お兄ちゃん…」
俺が言いたいことは言い切った。あとは鈴が決めるしかない。
「ありがとう。私、十二条高校受けるよ。うん。絶対受けるから。目標は高めに、そこから絶対落とさないように頑張らないと」
そう言った鈴からさっきまでの悩んでいる顔は消えていて、とても清々しい感じだ。
「うん。頑張れ。昔あほだった俺でも合格できたんだ。鈴ならいけるよ。応援してる」
「うん。でもあほだったのは昔だけで葵ちゃんと再会する時にもうあほな自分じゃいられないってめっちゃ頑張ってたじゃん」
「それはそうだけど。まぁとにかく鈴ならいけるって言いたいんだよ。鈴は俺の自慢の妹なんだから」
何事にも一生懸命で、勉強も部活も。学校行事だって運動会とかは応援団だった。観に行った時はびっくりしたよ。そんなこと一言も言ってなかったし。サプライズだったらしいけど。
「ありがとうね、お兄ちゃん、ならさっそく英語教えて欲しいな。これからも聞きに来るかも知れないけどいい?」
「もちろん。頑張る鈴を俺は最大限にサポートするよ」
葵にも鈴が頑張ること言っておかないと。
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