177話 妹と

「お兄ちゃん、ご飯だよ」


 二階で少し勉強してたら鈴が一階から声を掛けてくれた。シャーペンを机に置き、一階へ降りる。


「今日はコロッケにしちゃいました。ほらほら座っていいよ」


 テキパキと準備してくれてる鈴。ちなみに今日両親は飲み会でいない。


「すごいな鈴。こんな手の込んだ料理作れるんだ」


「ふふん。すごいでしょ」


 本当にすごいと思う。特にコロッケとかって簡単じゃないからな。


「鈴、今日お母さんたちいないのにこんなに頑張ったのか?」


「お兄ちゃんに食べて欲しかったしね。ほら、食べてみてよ」


 鈴に言われたので早速一口食べてみる。サクッと衣がいい音で鳴った。そして中はジャガイモがしっかり潰してあっていい感じにしっとり。一言で言うなら完璧。


「どう? 上手に出来たと思うんだけど」


「うん。すごい美味しいよ。これはすごいな。たくさん食べれるよ」


「そう? どんどん食べてね」


 美味しすぎて何個でも食べれそう。もう一個食べてしまった。


「ふふふ。お兄ちゃんよく食べるね。それじゃあ何かお話しよ。そうだね、葵ちゃんのおばあちゃんの家言ったんだし、そのお話が聞きたいな」


「うん、いいよ」


 その後、俺は鈴におばあちゃんの家でどんなことをしたのかとかいろいろ喋った。もちろん、ここでも一緒にお風呂入ったとか、朝めっちゃキスしたとかは言わなかった。


 でも野菜の収穫をしたとか話したら鈴は楽しそうに聞いてくれた。




 ◆◆◆




 美味しく楽しく晩ご飯を食べ終わった俺は、さすがに食器まで鈴に洗わせるのは悪いので食器を洗うことに。


 それも終わらせてお風呂に入ってリビングのソファーでくつろいでいると、鈴もお風呂に入ったのかパジャマで俺の横にぽすんと座った。


「ねぇお兄ちゃん。私、どこの高校に行ったらいいと思う?」


「え?」


 急に言われた進路相談。まさか妹にそんなこと聞かれるとは思ってもいなかった。


「今ね、受験勉強とかも始まったんだけどこの時期になっても高校どこ行くかはっきり決まってなくて」


 鈴は今年中学3年生。確かにそろそろ高校のことも考える時期だ。真剣に悩んるそうだし、俺も本気でアドバイスしてあげたい。


「そうだな。今、考えてるところはあるの?」


「うんとね」


 鈴は部活でやってるソフトボール部があるところを主に考えてるようでソフトボール部があるところが気になっている感じだ。


「あとはね…お兄ちゃんが通ってる十二条高校」


「本当に!?」


「うん。今の学力じゃ少し厳しいと思うけどお兄ちゃんがいる十二条高校に通いたい気持ちが1番強いの。ソフトボール部はないけどハードボール部あるしさ」


 鈴はめっちゃテストの点が高いわけでもないけどしっかり上位にはいる。俺たちの学校、十二条高校も無理では全然ないと思う。


「それでどうかな、お兄ちゃん」

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