176話 おばあちゃんまたね
「おばあちゃんばいばい! また来るからね!」
「またいつでもおいでよ! 次会うときは葵ちゃんの結婚式かも知れないね。とにかく元気でいてね」
「そうだったら嬉しいな。おばあちゃんも元気でね!」
もう俺たちの作業は終わって家に帰ろうというところ。畑耕すのめっちゃ疲れた。ものの1時間で腰がバキバキに。
「祐輔くんもありがとうね。本当に助かったよ」
「いえ。俺もすごい楽しかったです。また呼んでください。いくらでも頑張りますから」
「ならまた呼ばせてもらうわね。春にも今日耕してもらったところの収穫とかあるから」
自分たちが耕したところの野菜を収穫する。なんか考えただけで楽しい。こういうのが家庭菜園とかの楽しさなのかも知れないな。
「それじゃあバスがもう来ちゃうから」
「ええ。気をつけて帰りなさい」
その後、おばあちゃんとがっちりと握手して俺たちはおばあちゃんの家を後にした。
「うーん。この2日間楽しかったね。いろんな経験が出来たよ。それに祐くんと…えへへ」
葵は何故かとてもご機嫌だ。さっきまでおばあちゃんとお別れするのすごい寂しいとか言っていたのに。
いや、寂しいのは多分今も変わらないんだろう。でもおそらく俺とお風呂入ったことや、朝の出来事を思い出してにやけてるんだな。
「祐くん私すっごく疲れちゃったからちょっと寝てもいい?」
「うん、もちろん。俺の方に寄り掛かってもいいよ」
「ありがと。そうさせてもらうね」
葵はコツンと俺の方へ頭を乗せてそのまま寝てしまった。その寝顔はなんとも可愛い。そのまま俺たちの最寄りのバス停に着く寸前まで葵はスヤスヤ寝ていた。
「それじゃあね祐くん。また明日。部活あるから忘れちゃだめだよ」
「忘れないよ。葵も今日はゆっくり休んでくれ。じゃあばいばい葵」
こうして俺たちはそれぞれの家に戻って行った。
「ただいま〜」
「お兄ちゃんお帰りなさい! 久しぶりだね! 少し寂しかったよ〜」
玄関を開けると真っ先に鈴が出迎えてくれた。そしてそのまま抱き付かれた。
「ちょっと鈴!? 鈴そんな感じじゃなかったよね!」
「まぁまぁいいじゃんお兄ちゃん。やっぱり2日間も会わないのは妹としては寂しいものなのです」
「そう言うものなの?」
「そうそう。お兄ちゃんも少しは寂しかったでしょ?」
「まぁ晩ご飯の時とか鈴いないなとは思ったよ」
ほぼ葵のことで頭いっぱいでしたとか言えるわけない。一緒にお風呂入ったこととか、朝めっちゃキスされたこととかも。
「よしよし。さすがお兄ちゃんだよ」
鈴も葵と同じようにご機嫌なようだ。
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