166話 感謝
「はいっと。これで終わりかな」
「そうだね。これを拭いてっと。よし、終わりだよ」
今は、晩ご飯を食べ終わって食器を洗うのを手伝って終わったところ。
さてさて、もう今日するとこはなくなった。まだ8時くらいだから寝るには早い。
「祐輔くん、葵ちゃん手伝ってくれてありがとうね。おかげで早くやることが全部終わったわ。あとは自由にしていいよ」
「はーい」
さてさて何しよう。テレビ観るものいいし、勉強するのは…ないかな。
「祐くん祐くん。今日いつも以上に腕とか疲れたでしょ? いつもみたいにマッサージしてあげるから横になって」
確かに腕とかがかなり疲れたしありがたいんだけどおばあちゃんが横にいるなかそんなことするのはちょっと…
「大丈夫よ。おばあちゃんは今からお風呂入ってきますから。しばらくは何しても問題ないよ。ごゆっくり〜」
葵のおばあちゃんそういうこと言ってもいいの!? でもまあそれなら有り難くしてもらいたい。
「じゃあ寝転がってね」
言われるままに寝転がると葵が腕をゆっくり、でもしっかりと揉んでくれる。
「腕が張ってるね。パンパンだ。いつもと違うとこ使ったのかな」
「あーやっぱり気持ちいい。俺、若いのにおじさんみたいな感じになってる」
「そんなことないよ。祐くんはかっこいいお兄ちゃん。私が祐くんにしたいだけだし、祐くんの身体は私がしっかり疲れをとってあげないと前みたいになっちゃったら怖いしね」
「いつもありがとな。葵。こうやってくれるのが俺にとってどれほど幸せなことか」
俺のことを考えてくれて本当にありがたい。よく実感する。
「不思議だよね。前まで祐くんに会いたいって思ってたのに、今じゃもっともっと祐くんを求めちゃう」
それはめっちゃ分かる。今の幸せに慣れてしまったのかもっともっとってなってしまう。葵といるだけじゃなくてもっと触れ合ったりしたい。
「ふぅ。終わったよ祐くん」
「うん。ありがとう。すごい楽になったよ。これで明日も頑張れる」
「祐くん。私、マッサージしてあげたからご褒美が欲しいな」
「いいよ。どうしたらいい?」
「んっ」
軽く唇を出して目を閉じてこちらを向く葵。
「えへへ。ありがと祐くん。今幸せいっぱい」
おばあちゃんの家でするとは思ってなかったけれどまぁいっか。
「祐くんもう一回…」
目をトロンとさせてそういう葵に俺はダメとは言えない。
軽く触れるくらいのキス。それを数回繰り返す。それだけで心は考えられないほどに熱くなる。
おばあちゃんがお風呂から上がってくるまでの数分間、俺の顔は真っ赤だった。
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今日、高校を無事卒業しました! 次は大学生となります。これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
★、応援のハートをつけてくださった方、本当にありがとうございます! 嬉しいすぎます!
九条 けい
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