165話 晩ご飯

「いいお湯でした〜。もう最高だったよ!」


「お先にいただきました」


「はーい。もう10分もすれば晩ご飯も出来るからね」


 しばらくいろんなお喋りをした後、俺たちはお風呂を出た。もちろん別々で。


 それでリビングに戻ってきたわけだけど、めっちゃいい匂いがする。


「おばあちゃん、部屋中にいい匂いがするけど何を作ってくれてるの?」


 俺も気になってた。葵、ナイス。


「今日は2人ともたくさん頑張ってくれたから、肉じゃがと炊き込みご飯にしたよ。後、味噌汁とかかな」


 すごい。めっちゃ豪華だ。そして the おばあちゃんの料理って感じ。


「それじゃあ、申し訳ないけど食器とか出すの手伝って貰える?」


「お安い御用だよ! 何を出そうか?」


「俺も手伝うよ」


 俺と葵の2人で食器を出していく。ご飯茶碗に汁椀、中皿に小鉢。


「はいお待たせ。出来たよ。食器出してくれてありがとうね」


 おばあちゃんはそう言って、出来た料理を皿に盛っていく。


 めっちゃ美味しそう。お腹空いたしこれは見たら分かる美味いやつやん。


「それじゃあ炊き込みご飯の方も開けてみようか」


 そう言ってパカッと炊飯器を開けるともう最高の匂いが一気に漂ってきた。


 艶々のご飯に沢山の具。混ぜたら見えた少しのお焦げ。なんてこった。よだれが出てくるぜ。


 炊き込みご飯を茶碗についでテーブルに置いたら準備完了。早く食べたい。


「それじゃあ食べましょうか。いただきます」


「「いただきます!」」


 まずは炊き込みご飯を一口。


「めっちゃ美味い…」


 葵もうんうん頷きながらご飯を勢いよく食べていた。


「おばあちゃんのご飯っていつも美味しいよね。おばあちゃん後でレシピ教えてくれない? 祐くんに食べてもらいたいの」


「それはもちろんいいよ。祐輔くんに食べてもらいたいとか葵ちゃん可愛いこと言うのね」


 前に葵のハンバーグ食べたし、弁当のおかずとかも食べてもらったけど、すごい美味しんだよな。


「まだあんまりレパートリーがないからね。祐くんもいろんな料理作ってあげたいし」


「昔は男をつかむなら胃袋をつかめとか言われてたからね」


 俺は完璧に掴まれてるし、もう落ちてるし。


「そんなこと聞いたことある! 祐くんを逃がさないためにはやっぱり胃袋を掴まないといけないんだね」


「俺絶対逃げないけど?」


 一応言っておこう。


「分かってるよ〜。祐くん私のこと大好きだもんね〜。いろんな美味しい料理を食べて欲しいっていうのも本当だよ」


「本当2人はいい夫婦になりそうね。ひ孫の顔が早く見たいわ」


 おばあちゃん、ひ孫は早いです。



===


私たちの卒業式中止になりそうです…


皆さまも新型コロナにはお気をつけてください

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