164話 お風呂でお話し
「ふぅ、いいお湯だね〜」
「そうですね…」
何故か吹っ切れた俺は流れで葵の背中を洗ってしまった。そして酔いが覚めたかのように今、恥ずかしさとかで顔をあげられない状態だ。
ただ、葵の肌めっちゃすべすべだった。本当に綺麗だなって思った。
「それにしてもこの浴槽も狭くなったよね。小学生の時なんてプールみたいに泳いでたもんね」
葵がそういうくらいにこの浴槽は広い。本当に。ただ狭くなったけれど、今、俺たち2人が入っても全然余裕だ。
まじで広すぎ。葵のおばあちゃんたちお風呂にどれだけお金かけたんだ。
「それにしても祐くんってやっぱりいい筋肉してるよね。肩とかもすごいよ」
「そりゃ日頃からたくさんボール投げてるし鍛えてるから」
「なんで下向いて喋ってるの?」
そりゃ恥ずかしいでしょ! タオルで隠してるとは言ってもさ。もう酔いは覚めたので無理です。(お酒は飲んでないよ)
「それは察して欲しい。まじで恥ずかしいんだぞ。葵は平気なの?」
「そりゃ恥ずかしいよ。でも他の男の子じゃない、大好きな祐くんになら見られてもいい…祐くんがタオルしてって言ったけど私はなくてもよかったんだよ?」
「そこまで言ってくれてありがとな。でもそれはもうちょっと待って」
「ふふふ。やっと正面向いてくれた。大丈夫。そういうのはまだ早いからね。でもたくさんイチャイチャしようね」
あー。なんか顔が熱い。やばい。そろそろこういうのは慣れるもんじゃないのかな。いまだにドキドキするんだけど。
「それじゃ何かお話ししよ。ほら、裸の付き合いっていうしさ」
「たしかにそんなこと聞いたことあるな。それじゃあまずは俺からかな」
さてさて。そうは言ったけれど何を話そう。
あれがいいかな。
「俺さ今すごい行く大学とか悩んでて」
たぶんこういうことを喋っていいよね。特に葵には聞いて欲しいし。
「たしかにそうだね。私も悩んでる。祐くんと同じところがいいけれど」
「それは俺も同じだよ。葵と一緒に楽しいキャンパスライフ送りたい」
一緒の大学行けたら最高だろうな。考えただけでワクワクする。
「でさ学部とか考えたら医療系とかってどうかなって思ってね。医者は厳しいけれど病院って医者だけじゃないって知って」
「確かに祐くんいいかもね。私も医療系考えてた。ても祐くんプロハードボールって道もあるんだよ?」
ハードボールは最近発足したプロチームがある。プロ野球にはまだ及ばないけれど結構人気だ。
「俺じゃ無理だよ。実力もだし、俺が頑張れてるのはこのチームで葵が俺のボールを捕ってくれるからだ。俺は生涯葵とバッテリーなんだから」
「祐くんっていっつもそうやって嬉しいこと言ってくれるよね。私も、祐くんと生涯バッテリー組みたい」
「うん」
本当、裸の付き合いってすごいな。
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