160話 思い出話

「あらあら、2人はそう言う関係だったのね。前に来た時も祐輔くんと結婚するとか言ってたけれど、本気ってこと?」


「そうそう。本気も本気。私、祐くん大好きだもん」


 俺の存在を忘れたかのように2人が盛り上がっている。それも俺たちのあれこれを暴露してる。


「そんなことがあったの。いいわね若いって。祐輔くん。葵ちゃんは私の大切な孫娘だから大事にしてあげてね」


「はい、絶対大切にします。俺も葵のこと好きですから」


「祐くんったら…」


 今思ったけれど何でこんなことしてるんだろう。結婚の報告とかじゃないのに。


「ふふふ。本当、祐輔くんも変わったけれど根っこの部分は変わってないね。葵ちゃんを大好きなのが分かるわ」


 めっちゃ恥ずかしい! 葵のおばあちゃんにそんなこと言われるとか思ってなかった。


「着いたわ。じゃあ早速で悪いんだけどジャージに着替えたらあっちのビニールハウスに来てもらっていい?」


 と言うことで一回家にお邪魔して。


「やっぱり大きいよな。この家。身体か小さいからそう感じたってわけじゃないってことか」


「そうだよね。おばあちゃんの家広いから。かくれんぼとか家の中でしたよね」


 あぁ懐かしい。結局どこにいるのかわからなかったんだっけ。あの時はなんだかんだで葵はこたつの中に隠れてだんだよな。灯台下暗しって本当にこう言う時に使うって思い知らさせた。


「もうでも俺は葵がどこに隠れても探せるけどな」


「そこまで言うなら今日泊まるんだしやってみる?」


 そう。今葵が言った通り今日と明日手伝う予定で今日は泊まりだ。もし俺たちが付き合ってなかったらどういうつもりなんだとは思った。


「なら今日、俺が見つけられたら別々の部屋で寝るってことにしようか」


「それはないよ祐くん! 私、今日すっごく楽しみにしてたのに!」


 そうだったんだ。葵の中では俺と一緒に寝るのは決まってたらしい。ただ葵のおばあちゃんがいるのにそんなことしたらアウトだろ。


「絶対隠れて見せるからね。そうしたら絶対今日の夜は離さないから」


 葵はおばあちゃんのお手伝い以上にこっちに気合いが入ってる気がするんだけど…ただこれは絶対に見つけ切らないといけないな。


「ってほら早く着替えないと葵のおばあちゃん待ってる!」


「ってそうだった! 思い出話してたら忘れちゃってた!」


 葵が我に帰ったようにそう言った。





「じゃあ祐くんお手伝い頑張ろうね!」


「もちろん。しっかり働こう」


 スパッと着替えて俺たちはおばあちゃんが待つビニールハウスへ向かった。

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