154話 カラオケ

 日曜日の朝8時。いつものような朝だ。


「ねぇ行こうよ〜! いいじゃん! いいじゃん!」


「いやだ! いやだ! 恥ずかしい!」


 と、思ったのだが。


 朝から絶賛葵と言い合い中。喧嘩ではないのでご安心ください。あ、でも喧嘩するほど仲が良いとも言うよね。


 それで何で言い合っているかと言うとカラオケに行くかどうかだ。朝から突然そんなことを言ってきた。


「だいたい今日は部活だろ! ふつうに考えて無理だろ」


「大丈夫。休めば良いんだよ」


 何を言っているんだ。流石にそこまでしてどこか遊びに行くとか葵、やばいぞ。


「冗談、冗談。流石に部活ばちゃんと行くよ。祐くんとハードボールしたいに決まってるから」


「良かったよ。冗談だと思ってたけど、葵だったらどんなことでもやりかねないからさ」


「もう! 私をなんだとおもってるの!? そんなとこしないよ」


 だってしそうだもん。本気の葵だったら絶対するよね。


「それじゃもう部活行こうか」


「そうだね。って話逸らすな〜! カラオケ行こうよ〜!」


 バレたか。このまま誤魔化せるかと思ったんだけど。上手くいかなかった。


「だから部活あるって言ってるだろ? 無理だって」


「そんなことないもん! 予約すれば良いんだよ!」


 あぁ。なるほど。そういう事か。今はそんなシステムあるんですね。(俺は昔の人ではないよ)


「だから午後から行こうよ」


「うーん。でもなぁ」


「どうしたの、祐くん? やっぱり嫌?」


「それがさ…俺、カラオケ行ったこと無いんだよ」


 ガチで一回も行ったことありません。なんか恥ずかしい。音痴ではないけれど。


「あっ…そうだったんだ。でも心配ないよ! 祐くんが音痴でもそんなの関係なく私は祐くんが好きだから! じゃあ予約しておくね!」


 颯爽と部屋を飛び出す葵。ちょっと待って。俺、音痴だなんて一言も言ってないよ。


 でも仕方ないか。行くと決まったっぽいし何歌うか考えておかないと。学年合唱とかでしか人前では歌ったことないからな。あとは家族か。


 とりあえず得意な曲歌えば大丈夫だよね。有名な曲になるけれど。あとは少しアニソン。


 今まで言ってなかったけれど俺はSAOあたりは見てます。あの曲は素晴らしい。


 まぁというとこでとりあえず人生初のカラオケ行ってきます。その前に部活だけど。


「祐くん予約取れたよ。2時から3時間とっておいたから」


「長くない!?」


「ええ〜、ふつうだよ。クラスの女の子とか一日中とかって時もあるらしいよ」


 まじか。カラオケってそんなに体力との勝負だったのか。まさかこれは精神力をつけるトレーニングなのでは?


 俺はそんなことを考えながら部活に行くために家を出た。



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