152話 トランプ
「やっほー。来たよ来たよ。さぁ英語しないと! 夜祐くんとイチャイチャ出来なくなっちゃう」
夜イチャイチャする予定があったのだろうか。俺には知らされてないけど。
「やっほー。葵ちゃんいらっしゃい。なんかお兄ちゃん顔が赤いんだけど、理由知らない? もしかしたら風邪かもしれないの」
突然の鈴の襲撃。そしてニヤけながら葵にそんなことを聞いた。
「ええ! 祐くん風邪なの!? 大丈夫? ちょっとおでこ触らせて」
「違うから! 風邪ひいてないから!」
鈴、こいつ分かって言ってるな。
「うん。熱はないね」
「うん。そりゃそうですよね」
「それじゃなんであんなに顔真っ赤だったの?」
追い討ちをかける鈴。あっ、これ逃げられないやつだ。俺、恥ずかしくて死ぬやつだ。
「たぶん外が寒かったから、顔が赤くなっちゃったんじゃないかな。風邪でもないならそうじゃない? 私も少し赤くなった感じしたしね」
まさかの葵が庇ってくれた? いつもなら絶対面白がるところなのに。
「そっか。葵ちゃんが言うならそうなのかな。お兄ちゃんはこういうのは信用ならないからね。よく葵ちゃんとあったことを誤魔化すから」
「祐くん恥ずかしがり屋さんだからね。でも今回は大丈夫だよ。もし祐くんが風邪引いちゃったら私付きっきりで看病してあげる。それで鈴ちゃんは宿題終わった?」
「うん。大丈夫。そうだ! 葵ちゃんとお兄ちゃん一緒にトランプしようよ。負けたらコンビニのスイーツね」
「もちろん! 何をする?」
葵、さっき英語どうのこうの言ってたのになんかもう遊ぶ方にいってる。
もう鈴はトランプを持ってきて上手くシャッフルしだしてるし。
「さて、まずは何しようか。七並べ? 神経衰弱?」
あぁ。がちでやるのか。なら負ける気はない。
「私はなんでもいいけど。祐くんはどう?」
「じゃあまずは七並べしよう」
ということでまずは七並べをすることに。
3勝したら優勝というルールでスタート。
「あの旅行ぶりだね。前は祐くんに負けちゃったけど今回は負けないよ! スイーツが懸かってるからね」
「うん。前の借りは返す。打倒お兄ちゃん」
それなら俺だって絶対負けない。
「じゃあ祐くんが私より順位が低くかったらあれしちゃっていいよね」
「いいけど負けたら俺が葵にするからね」
「ふふん。絶対に負けないから」
あれが何を示すのかはわからんが俺が勝てばいいだけのこと。
さぁゲームを始めよう。
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