142話 たこ焼きパーティー(3)
「お兄ちゃん、これ食べてみて!」
そう言って差し出されたたこ焼きはさっきよりもきれいな玉の形になっている。葵は一度自分の席に戻って、出来たたこ焼きを美味しそうに頬張っていた。
「それじゃいただこうかな」
「んふふふ」
何故か鈴が笑っている。上手く作れたから嬉しかったのだろうか。その疑問はすぐに分かった。
「あっ! これ辛っ! まじで辛い!」
「あははっ! お兄ちゃん面白い! このたこ焼きタバスコ入れてみたんだ。ドッキリ大成功!」
大成功じゃないわ! やられる側は地獄だわ!
「葵…水を取って」
俺は辛さをどうにかするため葵の目の前にある水の入ったボトルを求めた。
しかし、葵は取ってくれない。
「今は葵じゃないもん」
それまだ終わってなかったの!? そんな先生呼びにこだわらなくても良い気がするけど。
「葵先生、水を取って下さい」
「は〜い。なんなら飲ませてあげても良いよ?」
水をコップに注いでくれた葵がそんなことを言ったが、今はかまっている暇はないので注がれた水を一気に飲み干した。
「はぁ、はぁ。鈴、やってくれたな…」
「ごめん、ごめん。テレビでよくやってるから鈴もやってみたくて。もうしないから安心して。でもさ変わり種入れてみるのも楽しそうじゃない?」
確かにそれは楽しそう。タバスコドッキリなんてしなくて最初からそうして欲しかった。
「これはどうかな?」
「おぉめっちゃ美味い。いけるいける。これは?」
ただ今絶賛変わり種食べ合い中。ソーセージとかコーンとかキムチにチーズにとまぁ色々と。怖いのでお菓子系はやめておきました。
「思ってたよりどれも美味しいな」
「そうだね。私チーズ好きかも」
「鈴はソーセージ!」
そんなこんなあったけど無事たこ焼きパーティーは終了した。
それで片付けをしたらまたお勉強。忘れているかもしれないが今はテスト週間です。
「はぁ、結構食べたし面白かったな。葵はどうだった?」
「私もすっごく楽しかったよ!」
それなら良かった。俺もまたしたいなって思ったし。
「それじゃぼちぼち勉強しますかね」
俺が勉強道具を取ろうとしたら葵に腕を掴まれた。その顔はなんかワクワクしてるっていうかなんか嬉しそうな感じをしている。
「あ、葵?」
「ふふふ。祐くんさっき言ったお仕置きの時間だよ」
「葵…先生。この国は教師が罰をするのは禁止されてますよ」
「そんなこと関係ないもん。それにこれは罰じゃないから。ご褒美」
それならお仕置きではないのでは? とか冷静に考えてる暇はない。
「祐くんちゅー」
こうして勉強する時間が30分遅くなった。
でも天国だった。
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