135話 部活復帰

「やっほーい! ついに部活復帰!」


 スパイクを履いてグランドに出る。あぁこうやってスポーツが出来ることはすごく幸せなことなのですね。


 スパイクでグランドの土をザクザク言わせながらはしゃぐ俺。周りから見たらどこのバカだと思われそう。


「祐くん落ち着いて。一応グランド出てもいいって言われたけど、まだ様子見だよ。いきなりたくさんやったら、危ないからね」


「……」


「いい?」


「…はい」


 この件について俺の発言権は一切ない。本当はめっちゃやりたかったけど言われた通りにしないと。さっきの葵の顔かなり怖かったし。


「言っておくけど投げるのも禁止って分かってるよね? ちょっとも投げちゃだめだからね」


「はい…」


「分かってるならいいよ。部活頑張ろうね」


 こうして俺たちの部活は始まった。



 ◆◆◆



「はぁ、はぁ、はぁ」


 俺がしているのは足腰のトレーニング。先生考案の俺の1人メニュー。キャッチボールとかボールを投げるのを禁止されてるのでなんだかんだ言ってみんなと同じやつはあんまりやれない。


「どうだ神子戸。なかなかキツいだろ」


「先生、キツいってもんじゃないです。脚破壊されます」


「はははっ。下半身強化はなんだかんだいって重要だからな。人数が少ないうちはあんまりこういうのはできないんだからしっかりやっとけよ」


 確かにそうだ。本当に復活したらあんまりこうやって徹底的に下半身を鍛えることはあんまりやらないかもしれない。


 いや、なら部活が終わってから自主練でこういうのしたらよくないか?


「神子戸。自主練はいいことだがお前は無理するからあんまりやるな。もしやるなら若宮にちゃんと見て貰ってくれ」


 先生ってエスパーなんでしょうか?


「よし休憩も終わったし神子戸、次だ。今のうちに下半身しっかり鍛えとけ!」




 ◆◆◆



「ああ、疲れた…明日の俺はもう足が言うこと聞かないかも…」


「祐くんお疲れ様だね。見てたけどすっごく大変そう」


 あれを作った先生は鬼だ。エスパーで鬼。これが先生の正体だった。


「なら祐くん。前やってあげたみたいにマッサージしてあげよっか。しっかりやっておけば大丈夫。明日も元気だよ」


「葵。あなたは神か」


 なんで言うことだ。俺の横には神がいらっしゃるのか。マッサージの神。


「私は神じゃなくて彼女だよ。祐くんのね」


 あぁ、このセリフと笑顔だけで今日の疲れは吹き飛んだわ。


「ほらほら、家帰ったらマッサージしてあげるからもう帰ろ。フルコースでしてあげる」


 こうしていつものように家に帰った。

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