136話 復帰が…

 さて、10月に入った。あと2日もすれば俺の投げるの禁止令も終わる。そうしたらゆっくり肩を慣らしながら葵とキャッチボールできる。


 下半身強化は案外やり続けると楽しかったので、これからも続けていこうと思う。


 2日後が楽しみだ!


「俺はそう思ってたのに〜!」


「祐くん。これは仕方ないよ。前から決まっていたことだし」


「そうだけど!」


 俺は怒っていた。何にかって? それは日程にだ。まさかの明日からテスト週間。よって部活は中止。どこの部も例外なく。


「せっかく葵とピッチングできるようになるのに。せめて後1週間、始まるのが遅ければ…」


「先生が最近テストの話とかしてたけど聞いてなかったの?」


 もちろん聞いていた。授業中に「このテストに出るからね」とか「そろそろ問題の作成するけど難しくしようかな」とか最近そんな先生の話あったもん。


「でも最近で1番意識するのって俺の完全復帰じゃん。ようやく葵にバンバン投げ込めると思ったのに」


「そう思ってくれるのはすっごく嬉しいし、私も早く祐くんのボール受けたいけどテスト終わるまでの2週間は我慢だね」


「投げるの楽しみ過ぎて全然テストの日程考えてなかったな。と、言うことで葵、今日だけ少しキャッチボールでも……はい…すみません。冗談です」


 葵が笑ってるのに凄く怖い。気迫というか怒ってる感じがした。


「これに関しては1日の妥協もないよ、祐くん。逆にもっと肩を休められて良かったじゃない」


「あ、あぁそうかもしれないな。テスト勉強もしっかりやらないと」


 進との勝負もあるしここは頭を切り替えてテストモードに入ろう。



 ◆◆◆



 そしてテスト週間が始まった。始まったといっても俺がするのはあんまり変わらない。ちゃんと勉強するだけ。


 昼休み。今日は外が雨でいつもの場所は使えないので教室で食べることに。机と椅子を2人分借りれば準備オッケー。と、そこにやってきた風間、雨宮ご夫妻。(俺が今勝手につけた)


「どうした? 部活関係?」


「いや一緒に食べようぜ」


 今俺の横に葵がいるの気づかない? 自分の彼女だっているでしょ。


 俺がそう思っている中、進たちが俺たちの正面に机を並べ座った。


「それでどうした?」


「祐輔と若宮ちゃんいっつも外で食べてるからこういう機会ってあんまりないじゃん」


「確かにそうだね。春香ちゃんとこうやって一緒に食べたことないかも」


「そうだよね葵ちゃん。たまにはこういうのもいいでしょ?」


 ということで仲良く4人でランチタイムを楽しむことになった。


 あれやこれや喋ってすごい楽しかった。今度もたまにはいいかも。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る