128話 テスト

「始めっ!」


 先生の合図で課題考査が始まった。ただ今、数学の時間。だいたいスラスラ解ける。夏休みの問題集にあったやつをほぼ抜粋してるのでやっとけば解ける。


「ここは代入して…」


 順調に解いて行ってラスト1問。これだけは問題集にはなかった。いわゆる初見問題。って言ってもそんなに難しいわけじゃない。


 時計を見るとまだ30分も残ってる。90分の試験時間でこれくらい余るのはよくあること。ちょっと周りを見ると解き終わったのか諦めたのかもう寝てる人もチラホラ。


「ふぅ。とりあえず解き終わったし俺も少し寝よう」


 一度確認して残った時間は睡眠へ。普通はこんなことしないのだが、今日はすごい眠い。


 理由は簡単。あの後結局寝れなかったから。最近キスし過ぎだなとは思う。でもやめられない。なかなか重症だとは自覚してるんだけど。葵もしたいって言ってくれるし、良いよね?


「そこまで」


 先生の終了の合図でテストが終わった。あと4教科。なかなか大変だわ。


「祐くん祐くんどうだった? 私ね多分けっこういい点行ってるよ!」


「俺は多分90後半くらいかなぁ。何問かミスった気がする」


 本当は100点とって葵に自慢したかったのに。夜のあれのせいで集中力を持っていかれた。


「祐くん…点高過ぎ! 自慢しちゃった私が恥ずかしいじゃん! 夏休み私とずっと一緒にいたはずなのになんで差が出ちゃうの〜」


「ふぅーん。夏休みそんなにイチャイチャしてたのかこのバカップルは」


 振り返るとクラスの女子たちが数名。冷静になって考えてたら今の葵が言ってたこと聞かれてたってかなり恥ずかしいんですけど!


「そうだ神子戸くん。来月には中間テストあるじゃん? だからみんなで勉強会しようよ。クラスの女子はもうオッケーしてるよ」


「えっ!? 私聞いてないよ!?」


 いや、それ以上にもうみんなオッケーしてるってどういうこと。拒否権ないじゃん。


 葵もそれに気づいたのか言ってきた片瀬さんに言った。


「ちょっと待ってよ! 勉強会って祐くんとクラスの女の子たちってこと? それはうーん」


「大丈夫大丈夫。神子戸くんはとらないから。ただ神子戸くん優しいし、前に勉強教えてくれたときすっごくわかりやすかったから今回もって今回もって」


「なるほどね! 分かるよ! 祐くんすっごくわかりやすいもんね!」


 そんなに分かりやすかったのかな。俺は普通に教えたはずなんだけど。


「それにみんなで勉強してクラスの平均点上げて他のクラスに勝ちたいじゃん。だからさ、彼女の葵ちゃんどうかな?」


「よし、分かりました。祐くんの彼女として許可します!」


「ありがとう! よし、ならこの夏休みのことを神子戸くんと葵ちゃんにどしどし聞いていこっと」


 いや、待って。俺の意見は? というより勉強会する気あるのかな? 


 それより大事なのは今まだテスト1教科しか終わってないってこと。


 あ、予鈴鳴っちゃった。化学の最後の復習は出来なかった。

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