126話 お部屋で

「ここは、こうで…」


「あ、そっかそっか」


 いつものようにお勉強。明日は夏休みの課題考査がある。成績には全く反映されないけどしっかりやっていい点をとりたい。


 夏休み葵と勉強もしっかりやったので大丈夫なはず。ただ今日ちゃんと寝られるだろうか。葵が何かしてきそうな気がしてやばい。


 課題考査は定期考査みたいに1日2教科とかじゃなくて2日で10教科やらせるアホなイベントなので寝なかったら死ぬ。定期考査は徹夜でも余裕だけど。


「祐くんどうしたの? さっきから何回か私の方を見てるけど。祐くんなら何回見られても嬉しいからいいんだけどね」


 何故か胸元が大きく開いたパジャマ。まだこの時期暑いので薄着になりたい気持ちもわかる。


 ただ俺の部屋、今はクーラーガンガンに付けていてそんなに暑くないはず。それも俺の部屋に来てから胸元のボタンを開けるという謎の行動。


「いや、なんでもないよ」


 俺はノートに目を向けた。ただ集中できない。最近になってこんな無防備なことや誘惑が多い気がする。これは何? 俺の精神力を試しているのだろうか。


「葵。まだ部屋暑い? 温度下げようか?」


「えっ? 私はそんなことないけど、どうして?」


 ニヤニヤとした葵の笑み。俺はどうするのか適切なんだろう。


「あのっ、そのパジャマのボタンが開いてたから暑いのかなぁと」


「ふぅーん。祐くん私のここ見てたんだ。えっちだね」


「いや! そんなつもりは全くない! この際だから言っておくけど俺は葵に手を出す気はないから! そんな目で見てないから!」


 ちゃんと言っておかないといけないよね。じろじろ見られるのは嫌ってのがやっぱり女の子共通だろうし。葵は良いよって言ってくれてもそれ以上は許されることじゃない。キスが最大限。


 俺が言った瞬間、葵は何故か涙目になってしまった。まさか、もうアウトだったのか!?


「祐くん、私って魅力ないかな…祐くんが手を出したくならないくらいに…」


「えっ?」


 もう意味がわからなかった。葵が魅力ない? そんなわけないだろ。


「あ、あの…本当のことを言ったら…手を出したくてしょうがない。でも女の子はそういうのは嫌だって聞くし葵を不安にさせたくなかったっていうか…そういう意味で付き合ってるわけじゃないってのを言いたかったんだ」


 俺が言い終わる頃、葵の方を見ると涙の後なんかなく超が付くほどニマーッとした葵が。


「そうなんだ〜。祐くん私に手出したいんだぁ」


 はっ? えっ? 本当に訳が分からなくなってしまった。さっきのは演技だったってこと!?


「ごめんね。私のことちゃんと考えてくれてるっていうのはすごい嬉しかった。でも女の子も好きな人とはいろいろしたいんだよ? それこそキス以上のことも…」


 あれ、これ本当にやばくね?

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