125話 玄関先

「はい、祐くん」


「ほいっと」


 食べ終わったら皿洗い。ほんとは俺だけでもよかったのに葵まで手伝ってくれてる。


 2人分の食器と調理したやつだけなのと葵が手伝ってくれたことですぐに洗い終わった。


「葵。風呂はどうする?」


「もちろんこっちで入らせてもらうよ! そのためにパジャマも持っていたし! 祐くんの入ったあとなんて…えへへ」


「え? なんか言った?」


 なんでもないよと言った葵はそのままお風呂に入ってしまった。覗いてもいいよって言われたけどそんなことするわけがない。ちょっとも考えてないよ? いや、ほんとだよ。


「ただいま〜」


 俺が少し悶々としている中、鈴が帰ってきた。


 お帰りと出迎えると鈴が鼻をスンスンさせている。


「どうした鈴?」


「すごいいい匂いがする!」


 俺が葵が来てくれてハンバーグを作ってくれたことを説明すると中学3年生我が妹が騒ぎ出した。


「いいないいな! 葵ちゃんの手作りハンバーグ私も食べたかった!」


「ふふんいいだろ。めっちゃ美味しかったんだぞ」


 鈴にめっちゃ自慢する。そしたら鈴もキャーっと喚く。なかなか楽しい。


「明日はどうなの!? あ、明日お母さんたちもいるんだったぁ〜」


 玄関でギャーギャー騒ぐ兄妹。余程、鈴は葵の料理が食べたいらしい。俺も食べたいけど。


 ただ俺が弁当作ってもそんなこと言ってくれないよな。なんか寂しいぞ。もう慣れちゃったのか。


「あがったよ〜祐くん。あ、鈴ちゃん帰ってたんだね。お帰りなさい」


 お風呂から上がった葵。湯上りで髪が濡れているこの感じすごい色っぽい。


「あ、ただいま葵ちゃん。私も葵ちゃんのハンバーグ食べたかったよぉ」


「なら、今度また機会があったら作ってあげるね。祐くんにすごい褒められたから美味しいよ!」


「なら、次楽しみにしてるよ」


 鈴はそう言って自分の部屋に戻って行った。その後お風呂に入るらしい。俺たちはリビングでゆっくりすることに。


「祐くん髪乾かして〜」


 ソファーに座った葵が甘えてくる。俺の横じゃなく膝の上に座る葵。やっぱり思うけど女の子ってすごい軽い。男どもにのしかかられたときは潰されてそうだったのに。


「はいはい」


 俺は言われたように葵の髪を乾かす。風を当てたところがフワッとなびく。その瞬間に感じる甘い感じの匂い。


「葵って俺とシャンプー同じの使った?」


「え? ダメだったかな?」


「いいや、ぜんぜんいいよ」


 ちょっと気になったので聞いてみたけど俺と同じシャンプー使ってなんでこんなに違うんだろ。


「まぁ女の子は好きな人のこと思うといろいろ努力しちゃうしね。それにこんなこともしたくなっちゃう」


 そう言っ瞬間振り向いた葵がチュッとキスしてきた。


「あ、葵! 不意打ちは卑怯だぞ!」


 俺の心臓はドキドキしっぱなし。なんで勉強とかは何回かやれば慣れて解けるようになるのに葵に何かされるよは慣れないんだ!


「祐くん、そろそろ祐くんの部屋いこっか」


 まてまてすごい危ない気がするんだが。




 ===



 この作品を評価してくれた皆さまほんとにありがとうございました! とっても嬉しいです!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る