124話 ご飯作り

「葵、俺なにか手伝うことない?」


 しばらく悶絶してたけどなんとか復活した。それで俺だけ何もせずにいるのは申し訳ないので何かできることはないかなと。


「大丈夫だよ。祐くんはゆっくりしてて。あ、キャベツの千切りお願いしてもいいかな?」


 キャベツの千切り。それは俺が何回もしてきたことのあるやつ。慣れるまでなかなか上手くできなかった覚えがある。今では完璧に出来る。


「えっと、2人分でいいよね」


 葵が頷いたのでまな板に半玉のキャベツを置き、トトトットって感じキャベツを切っていく。


「おお、祐くん上手いね! それにこんなに細切りで。千切りは細切りの方が食べやすいもんね」


 こうやって一瞬で葵絶賛のキャベツの千切りが完成。地味だけど。


「それじゃ、後は私に任せて、祐くんは自分のことやっておいていいよ。出来てからのお楽しみだからこれ以上は見せられないよ」


 本当はもっと手伝いたかったけどここまで言われたら、引くしかない。


「それじゃ、俺は宿題やってくる。夜、葵が分からないとこは教えれるようにしとく。俺が分からなかったら教えてね」


「そのときはゆっくりじっくり手取り足取り教えてあげる。でもそんな機会無さそうだけど」


 なんか危ない教え方されそうだからしっかりやっとこう。9月には模試もあるし。葵と一緒に良い大学行きたいしね。



 ◆◆◆



「祐くーん出来たよ!」


 葵が呼んでくれたのでリビングに向かうことに。


 リビングのドアを開くと目に入ってきたのはきれいに盛り付けられたハンバーグ。すごいいい匂いもうする。


「お待たせ、祐くん」


「おぉ! すごい美味しそう!」


「そんなことあるよ〜。祐くんへの愛情たっぷりだからね」


 なるほど。これには愛情たっぷりなのか。すごい嬉しい。それなら明日のお弁当は俺も愛情たっぷりにしとこう。


「それじゃいただきます」


「どうぞ召し上がれ」


 それではひと口。


「やばいすっごい美味い!!なんだこれ、美味しすぎる!」


 熱々の肉汁ジュワッときて、でもお肉自体はフワフワ。これはそっとやちょっとじゃできない。


「ふふふ。そうでしょ。これ何回もお母さんに教わったんだよ。祐くんに美味しいって言ってもらうために頑張ったの。美味しいって言ってくれて嬉しいな」


「本当にすごいよ葵。美味し過ぎて涙出てくる」


 俺のためにこれだけやってくれてるって知ったら嬉しくて泣いてしまうよ。


「祐くんそんなにならないでよ〜。ほらほらもっと食べて!」


 そのあとハンバーグをしっかりいただきました。俺の千切りキャベツはうん。予想通り。

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