123話 家でのこと
「ただいま。って誰も居ないんだっけ」
「祐くんおかえり〜。私も今帰って来たところだけど」
スーパーに行ってようやく帰宅。距離はそんなに遠くないけど食材を結構たくさん買ってしまったのでキツかった。
「なんだかもうお邪魔しますって感じじゃないよね」
慣れた感じで洗面台の方へ行って手を洗う葵。2日に1回かそれ以上家に来ているので確かに。もう第二の家って言うことでいいんじゃない?
手を洗ったら買ってきたものを冷蔵庫に入れてとりあえずひと段落。冷蔵庫の冷気が気持ち良かった。
「葵。汗かいただろ。着替えてくる? それかお風呂入れて入ってもいいよ。このままじゃ気持ち悪いだろ」
クーラーは付けたけど制服に汗が…流石に俺は部屋の温度下げてもダメ。
「ありがとう祐くん。なら着替えてくるね。祐くんお風呂入れて入ってもいいよ」
というわけで葵は一回自分の家に帰って、俺は風呂を入れた。
しばらくしてお湯が溜まったので俺はお風呂に入ることに。うん。最高。すごいスッキリする。ってここで葵が入ってくるドッキリとかないよな…?
なさそう。ただ何かあると危ないのでさっさと上がろ。ただ俺もこんなこと思うとかどれだけだよ。
一瞬来てくれないかなとか思ってすみませんでした。あれだけダメダメ言ったけど期待した自分もいました。だって男子高校生ですもん。仕方ないはず…
少しの自己嫌悪をしながらリビングに戻ると葵も戻って来ていて野菜を切っていた。
「あ、祐くんお風呂入ったんだね。大丈夫? ちゃんと水分補給しといてよ? また何かあるか分からないからね」
そう言って渡されたお茶を飲み干すと葵の姿をじっと見る。私服にエプロン。はい神。いや、女神だろうか。俺の家の台所にとてつもなく可愛い女神さまがいらっしゃいます。
「エプロン姿の葵めっちゃ可愛い…」
「え!? 今祐くんなんて!?」
しまった! 見惚れていたプラス今俺思ってること言ってしまった!
文化祭でもエプロンしてる時あったけど私服にエプロンがめっちゃ似合ってる。
「この葵めっちゃ可愛い。なんかお嫁さんみたい」
「ちょっと祐くんお嫁さんだなんて気が早いよっ。でも家に2人きりでこんなことしてたらそう言われてるかもね」
側からみたら言われそう。レジ打ちの人もそれらしきことを言ってたし。
「それじゃ、ちょっとやってみよ。お帰りなさいっ、あ な た」
「ぐはぁっ」
最高すぎた。突然の葵の甘いセリフ。それに俺は悶絶してしまった。
あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!
2020年 九条 けい
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