112話 映画館へ

 旅行が終わって1週間が経過した。お盆休みが終わればいつものように部活がある。久しぶりにボールを投げるといつも以上にいい球が投げれた。ただ調子に乗ったせいで次の日には筋肉痛になったけど。1週間何もしなかったツケが回ってきた。


 これまでの話となんの関係もないけど今俺は映画館に来に来ている。昨日ついに俺と葵の夏休みの宿題が終わったのでお祝いと言うことで映画を観ようということに。


 というとこで我らが夢シティに隣接するムービックスにやってきた。


 観る映画はもう決まっていて最近公開された恋愛物の映画。2年くらい前に小説として大ヒットしたのを映画化したってやつだ。実写じゃなくてアニメ化らしい。


 俺は密かに読んでたけどまさか葵も読んでるなんて思わなかった。結構びっくり案件。


「祐くん、楽しみだね。あの小説すごい胸がキュンキュンするよね」


「俺もあのヒロインめっちゃ可愛いし、内容もめっちゃ好きなんだよな」


 俺もすごい楽しみにしてるってことを伝えたはずなのに葵からはジト目をされた。


「ふぅん、ヒロインの真衣ちゃん可愛いんだふぅん」


 むすっとした葵。本当にどうした?


「よく分からんけど1番可愛いのは葵だよな。こんなに大好きなのも葵だけだ」


「そ、そうなんだ。えへへ。祐くん私も大好きだよ」


 急に機嫌が戻ったいや、それ以上に良くなった。よく分からなかったけど順番が来たので発券機にいった。


「あ、これこれ。席は…後ろが空いてるしそこで良いかな。人も少ないし、ラッキーだったな」


「そうだね。ふふふ。これは暗闇の中祐くんに…」


「どうした? ここの席で良いよね?」


「ふえっ? あ、も、もちろんだよ! うん! そこしかないよ!」


 葵も了承したので席を決めてお金を払って発券した。映画って高校生でも千円かかるからなぁ。大人1800円ってなかなかだよな。


 発券したら上映まであと少しなのでそのまま待っていようと思ったんだけど。


「ポップコーン買っていい?」


 ポップコーンはやっぱり必須です。そしてそれはキャラメル一択です。


「え?ポップコーン買っちゃったら祐くんといろいろできない…」


「なんか言った?」


「いや、なんでもないけど…今日は祐くんの手ずっと繋いでたいからできれば買わないで欲しい…かも。ごめんね! いやなら全然良いから!」


「いや、ごめん。俺の方が気が回らなかった。俺も今回は葵とずっと手繋いでたい」


「祐くんありがとう!」


 さて、俺はちゃんと映画に集中できるのだろうか。葵にドキドキして集中できない可能性大だが。


 とにかく映画を観ます!



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