108話 パレード

「ふええーん。祐くん怖かったよー」


「お兄ちゃん、私なんとか耐えた」


葵は、なんか目に涙を溜めていて、鈴は落ちる前に怖いとか言ってだけどなんとか耐えたらしい。


葵なんだかんだ怖かったんだな。それなら無理しなかったら良かったのに。


「もう一回行っちゃう?」


「絶対だめ!」


「お兄ちゃん、それは意地でも行かない」


俺をこれに引き摺り込んだとは思えない言い分だ。俺的には案外楽しかった。落ちる時の感覚がすごいクセになる。最初とは真逆の感想だ。


「あ、俺たちが落ちてる時の写真があるぞ」


モニターには俺たちが落ちてる瞬間を撮った写真が写っていた。2人とも可愛いけど変顔みたいになってる。俺は多分いつも通り。


「あははお兄ちゃんすごい顔してるよ」


「え?なんで。めっちゃ普通な感じじゃん」


「ほらほら祐くん。すごい食いしばって怖さ我慢しようとしたの?私の手すごい握ってたもんね」


そんなわけないと思ったのに確かに写真にはガッチリ握られた俺と葵の手が。これは動かぬ証拠となってしまった。


この写真は2千円で買えるそうなので記念ということで1枚買っておいた。2人がこんな顔してるのって珍しいしな。


いろんなことがあって建物の外に出るともう夕方で太陽がオレンジ色に建物たちを照らしていた。


するとどこからかすごい陽気な音楽が。見てみると施設内の海にネズミーたちが乗って手を振っていた。パレードだ。


「すごいねえ祐くん。なんか幻想的」


「そうだな。すごい楽しかった。そう言えばほったらかしにした親父たちどうしたんだろ」


「まぁ放っておいていいんじゃない?」


「そうそう。お母さんたちもどこかで楽しんでるよ。もしかしたらパレード見てるかもね」


そうかもなと返事したけどマジで言葉じゃ表せないほどすごかった。これは行ったら絶対みたいイベントだな。


「あ、お母さんたちだ!」


鈴が指差す方をみるとネズミ型のカチューシャだったり、いろいろデコられたサングラスをしているいい大人(全員40代は超えている)がこちらに向かって来ていた。


普通のところでそんな格好してたら変人だ思われるだろうけど。でもここじゃ全然浮いてない。これも夢の国効果なのだろうか。


「おう、祐輔。楽しんだか? その顔は満足したって感じだな」


うん。文句なしに楽しめた。また行きたいなって思うほどに。


「それじゃ全員揃ってるし、お土産ショップ最後に行ったら、帰るぞ。ホテルの方もいろいろあるからな」


そういうとみんな退場ゲートの方へ歩き出す。俺もそれに習ってついて行こうとしたのだが。


「どうした葵」


葵に手を掴まれてしまった。


「えいっ!」


そして俺が葵の方を向うと顔を後ろに向けた瞬間葵に唇を奪われた。このサッとキススキルかなり上がってないか?


「えへへ。こんなすごいところに来たんだから良いよね? ここは夢の国。なら、夢のようなことしても良いよね」


こんなすごい良いシチュエーションでできるのもそうそうない。それにここはカップルだらけ。


「葵、親父たち待ってるからそんなに長くはできないぞ」


「うん、大丈夫。でもすごい思い出になるようにしてね」





そのあとはちゃんと親父たちに合流してホテルに帰りました。




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こんばんは、九条 けい です!今日から新しく小説を公開しました。題名は「妹(義理)と暮らしていきます〜魔法を使いながらほのぼの幸せを掴みたい〜」です。ファンタジーですがラブコメ要素も入っておりますのて是非読んでいただけると嬉しいです。お待ちしております!


後書き失礼しました。

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