101話 スカイツリー
エレベーターに乗ること1分。スカイツリーの天望デッキまでやってきた。エレベーターで1分間ずっと上に昇るとか初めての経験だ。たぶんこの先の人生で経験することはないだろうけど。
「めっちゃ眺めいいな」
特に今日は晴天で遠くまでよく見える、すごい綺麗で感動した。葵たちも最初は怖いとか高いのムリとか言ってたけど、慣れたようで景色を見ながらはしゃいでいた。
こう見るとほんと2人って仲良いな。なんかほんとの姉妹みたいだ。
「祐くん見てみて! あっちすごいよ!」
「お兄ちゃん、こっちもすごい!」
ああ良かった。2人で楽しんでたから俺のこと忘れたのかと思った。呼ばれてちょっと嬉しい自分がいる。
「そう言えば2人とも高いところは苦手なんじゃないの?」
そう言った俺に2人はふふんと胸を張って答えた。
「ここまで来れば大丈夫。それにすごい綺麗だから気にならないよ。私すごいでしょ!」
「そうそう。お兄ちゃん私たちはもう高いところは克服したんだよ。褒めて褒めて!」
「なるほど…ならもっと高いところ行けるらしいんだけど行っちゃう?」
「「行っちゃう!」」
2人が行くと言ったのでもうしばらくここのフロアを楽しんだら、追加料金を払ってもっと高いところに行くことにした。
「祐くん…怖いっ」
「お兄ちゃん助けて…」
ちなみに事故が起こったわけではない。安全な室内に居ます。
「どうした?2人とも。高いところは克服したんじゃないの?」
今、俺たちが居るのはさっきよりも高いところで地上450メートルのところにある天望回廊。さっきよりも遠くまで見れて、下の天望デッキよりも同じ建物が小さく見える。
「ここからの眺めも絶景だな」
写真を何枚か撮ってみる。どれもいい写真でかなり満足。
「祐くん、私たちをどうにかしてよ〜」
2人はあれだけ意気込んでいたのにちょっと調子に乗って真下を見てしまったらしい。そのせいで本気で怖くなったと言うわけだ。
その場から動けない2人。見ていてとても面白くて可愛いけど、本人たちからしたら地獄っぽいからとりあえずガラスと反対方向へ連れて行く。
「大丈夫?2人とも。怖くてムリそうならすぐに順路通って降りる?」
「それはいやだな。せっかく来たんだからもっと楽しみたい」
「うん、鈴もそう思うな」
「うーん。ならどうするかな」
しばらく考えていると葵がアイデアを思いついたようでニコニコ笑顔で言った。
「祐くんと手繋いだら行けると思う!」
「葵ちゃんそれいいね! よし、お兄ちゃん手繋いで行こう。拒否権はないよ」
そんなことだけで大丈夫なのかと思ったけどほんとに手を繋いだだけで2人とも楽しそうに景色を眺めたり、写真を撮ったりしていた。
両手に花状態の俺もスカイツリーすごい楽しめた。救いだったのは周りに人が全然いなかったことです。
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