93話 Happy Birthday (11)
俺は葵が寝っ転がっているベッドの頭の方へ移動した。
「ふえっ?祐くんどうしたの?」
俺が枕元に来ただけでかなり慌ててるけどそんなことをお構いなし。
「ちょっと葵、頭上げて」
「こう?」
葵がちょっと頭を上げた瞬間にサッと足を滑り込ませる。胡座をしてその真ん中に葵の頭をおく。膝枕じゃないけど胡座枕?を完成させた。
「ゆ、ゆ、祐くん!ちょっと待って!これはどういう...こと?」
俺が上から葵を眺める。なかなかない感じで新鮮さがあってめっちゃいい。葵は葵で顔を赤くしるのを手で隠してるけどこの体勢のせいで丸見えだ。
「葵、手退けて。これじゃマッサージできない」
「ち、ちょっと待って!祐くん。ちょっと落ち着くから」
すーはー、すーはーと何回か深呼吸をして葵が手を退けてくれた。俺的には新鮮さあってもそんなに照れるものじゃないと思うんだけど。
「そんなにこれいい?ただマッサージしやすいポジションなだけなんだけど」
「もうやばい!こうやって上から見られるのってすごいいいの!ドキドキする!ほんの20センチくらい上に祐くんの顔があるって最高。こうやってしてもらうのは女の子みんなの夢なのかもね」
こうするのが女の子みんなの夢なんて初めて聞いた。多分そんな夢は女の子持ってないと思う。
「それじゃ始めまーす」
俺はそう言って葵の頬骨を押し上げるようにグリグリほぐす。頬骨のところには老廃物が溜まりやすいからしっかり、優しくやっていく。むくみの原因になりやすいのでちゃんとやりましょう。
「あー気持ちいいー。祐くんすごい上手」
「葵、痛くない?大丈夫?」
「うん、大丈夫。とっても気持ち良いから続けて欲しいな」
葵に言われるように右の方をやったら、次は反対の方もやる。葵には内緒だけどほっぺたが柔らかすぎてやばい。ぷにぷにしてるけど保湿クリームを塗ってるのかすごいもちもち肌。このままぷにぷにし続けてたいくらい。
「祐くん?」
俺がマッサージを中断してずっと葵のほっぺをぷにぷにしてたら葵からお声がかかってしまった。
「いや、葵のほっぺめっちゃ柔らかいくていいなって。このもちもち肌ってどこのクリーム使ってるの?」
「えっとね、今日はまだ何もつけてないの。お母さんたちと喋ってお風呂入ってからすぐに来ちゃったから」
「へぇ。何もしてなくてこんなにもちもちとかすごいな」
後でもっとぷにぷにさせて貰おうととか考えたけどさせてくれるかな。とにかく今は集中して葵の顔のマッサージを続けていこう。
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