91話 Happy Birthday (9)
「このくらいでいい?」
かなりの回数のキスをした。俺たちはようやく長い甘い時間を終わらせた。
「んっ...私はまだしたいけどとりあえず満足できたから」
とりあえずって何?とか思ったけど口には出さないでおく。
「私...祐くんとキスするの大好きみたい。とっても幸せな気分になれるの。祐くんはどう?」
「え?あ、あぁ俺も悪くないと思うよ」
「それは私がしたいって言ったから仕方なくしてるってことなの?」
そう言って急にしょんぼりする葵。え?俺はそんなつもりで言った訳じゃないのに。
「そうだよね。何回もしようとしたらダメだよね...」
「ち、ちがう!」
両手を葵の肩に乗せ少し叫ぶように言ってしまった。
「ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。俺だって葵とキスするのは大好きだよ。何回だってしたい...今、俺も幸せな気分だよ。大好きな人とキスできるんだから」
「祐くん、ほんとにいやじゃない?」
俺は大きく頷いた。だっていやなはずがないから。
「私、何回も祐くんにしたくなっちゃうんだけどいい?」
「なんの問題もないよ、俺だってしたい」
「祐くん大好きだよ」
「俺だって葵大好きだよ」
今度は俺の方から。さっきは葵からばっかりだったから。
短い口付けをした後俺たちは家に帰った。
◆◆◆
家に帰ってきた。親からは「ホテルに泊まるんじゃなかったの?」と言われる始末。そんな予定ありません。
「お兄ちゃん、上手くいったようだね。その顔見れば分かるよ」
「うん、葵プレゼント喜んでたよ」
「それは良かった。でもそれだけじゃない気がするんだよね。プレゼント渡すくらいでお兄ちゃんそんなに顔ニヤけないもん」
鈴に見抜かれてる。顔のニヤけが止まらないのはいいとして、じゃあ「葵とたくさんキスしたからニヤけてます」とか妹に言える訳ねぇ!
と、いうことで適当にごまかし通して俺は自分の部屋に戻った。
◆◆◆
風呂も終えて少しだけした勉強も終わってベットにごろん。今はヘッドホンを付けて音楽を聴いているところ。何を聴いているかは秘密。
目を閉じてただこうやって音楽を聴くととてもリラックスできる。ヘッドホンはイヤホンより付けた感触もいいし、何しろ周りの音が聞こえない。他の雑音が入ってこないのはかなり好ポイントだと思う。
俺がそんなことを考えていたら急に俺の体に何かが乗ってきた。直後俺の口に優しくて柔らかい感触が...
びっくりして目を開けるとやはり案の定そこには葵がいた。
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こんにちは。いつも読んでくださってありがとうございます。九条 けいです。私事ではありますがテスト週間に入りますので更新が遅くなります。よろしくお願いします。テスト終了後新作を出す予定ですのでそちらも読んでいただけると嬉しいです。
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