77話 ケーキシェア

 ジュースをある程度飲んだらついにケーキに手をつけた。まずは一番好きなチーズケーキ。一口大の大きさに切って口に運ぶ。


 しっとりとしたチーズケーキの食感とチーズの甘さが一気に口の中に広がる。まじでうまい。もう一口。さらにもう一口。やばい、止まらない。


 もう半分以上食べてしまった。ふと葵の方に目を向けると葵もとても幸せそうにモンブランを食べていた。口に運んで「ん〜!」と口元を緩めている。はっきり言って可愛い。


「ん?どうしたの祐くん」


 俺が葵を見ていたのに気づいたらしく葵が俺に声を掛ける。


「葵、小学校の頃ガトーショコラめっちゃ好きだったけど、最初に食べないんだな」


 葵は小さい頃からチョコレートが大好きだった。チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出ると言う迷信だと言われていたことを現実化した功績?もある。そんな葵だから真っ先にガトーショコラを食べると思ったんだが。


「私、大好きなものは最後にとっとくことにしたんだ。楽しみは最後にってことだよ。我慢は最高のスパイスっていうかトッピングなんだよ」


 なるほど。葵は最後に好きなものを食べる派なのか。なんか上手いこと言った感じ出してるけどそんなでもないよ葵。


「それでも私は大好きな祐くんには我慢も自重もしないけどね」


 そういうこと言われるとまじでやばい。何回、葵にこんなことを言われても耐えられない。耐性がつかない。毎回ドキドキさせられる。


「俺だって葵に我慢も自重もしないけどいいのか?」


 いや、葵が嫌がることをするわけないよ。ただ、もっと一緒に居たいとか手繋いでいたいとかそういうことね。


「そりゃもちろんだよ!」


 葵はモンブランを一口大に切って俺の目の前には差し出した。


「はい、祐くんあーん」


「あーん」


 俺は葵のモンブランを一口貰った。美味しいと思うんだけどそれ以上にこれって間接キスでは?とかいうことに意識がいってしまって味どころではなかった。


 ただ俺も負けてられないので(勝ち負けはない)チーズケーキを切って葵の前に差し出した。


「葵、あーん」


 すぐに食べてくれると思ったんだが葵はなかなか食べてくれなかった。まさか嫌だったとか?


「祐くん、貰っていいの?チーズケーキって祐くんの大好きなケーキでしょ?」


 なるほど。俺の好きなチーズケーキだから葵食べていいか迷ってるんだ。


「全然問題ないよ。確かにチーズケーキは好きだけど、俺はもっと大好きな葵とこの美味しさを共有したい」


「祐くん...ありがとう、なら貰うね!」


 パクッとチーズケーキを頬張った葵。とても美味しいそう。口元がだらーっとなってる。


「どう?」


「美味しい!祐くんと間接キスしちゃった〜」


 そう言って顔を赤らめる。そういうのは言わないのがお約束なのでは?とか思ったけど嬉しそうにしてるので黙っておいた。


 その後どのケーキも少しずつシェアしながらケーキを全て食べ終えた。結構お腹に溜まるけどまじで美味しかった。もしまた開催されるならぜひ行きたい。



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