78話 プレゼント

 ケーキを食べ終えたおれたちはスイーツパラダイスを後にしてそのまま夢シティの中をぶらぶらしていた。俗にいうウィンドウショッピング。


「祐くん、ちょっとこのお店入ってみようよ」


 葵が指差したのは男物の服屋。葵がこんなお店に興味を持つなんてなにかあったのか?


 とにかく葵が言ったお店に入ることにした。お店の名前は...よく分からなかった。勉強不足だと思う。


「ほらほら祐くん。入っておいでよ」


 葵に急かされて俺もお店の中に入る。葵はキョロキョロ店内を見渡していた。何を見てるのか少し気になったので聞いてみた。


「祐くんの服を私がコーディネートしてあげたいなって思って。鈴ちゃんばっかり羨ましいよ。私の方がもっと祐くんをかっこよくできるもん。あ、今の祐くんもすごいかっこいいんだけどね」


 何故か俺の妹の鈴と張り合っているようだった。


「と、いうことで今から私が祐くんの服を選んであげる。ついてきて!」


 葵は俺の服を引っ張って行った。今は上の服を選んでいる途中。いろいろ服を持ってきてはうーんとか唸っている。俺は今自称着せ替え人形。


「祐くん元がとってもかっこいいから何着てもいいんだけどそれじゃなんか普通なんだよね。もっと祐くんの良さを引き出したいんだけど」


 いろいろ葵なりに考えてくれているようだ。熟考すること10分くらいだろうか。葵はこれっていうものを決めたようで満足そうに俺を見ていた。


「うん。これ祐くんにベストマッチだね。似合ってる似合ってる」


 そして葵デザイナーによるファッションショーは終わった。今日は見るだけだと言うので服は買わなかった。


 その後もお店をいろいろ回って、そろそろ帰る時間になった。


 最後に寄ったのはアクセサリーショップ。たくさんの種類のイヤリングだったり、シュシュだったりと女の子向けの商品があった。


 そんな中で俺は1つのペンダントに目がいった。


 それはペアネックレスで光輝くローズゴールドカラーのネックレスとブラックのペンダント。2つをくっつけるとハートができるというよくあるやつだけど、それは1つ1つはパズルのピースみたいな感じで合わせた時パズルの穴と穴がちょっとハートになると言うかなりセンスの良いものだった。


 パズルが組み合わさってハートになるってのが本当に良い。一度離れてもまたくっつくこの感じ俺たちにはぴったりだと思う。


「祐くんどうしたの?」


 葵も俺がみていたのに気づいたようだったが俺はなんでもないよと言ってごまかした。


 理由は7月31日が葵の誕生日だから。その時にこれをプレゼントしたい。そう思った。サプライズプレゼント。


 先に葵にお店を出てもらって、店員さんに事情を話すとネックレスを取って置いて貰えたのでお礼をいってお店を出た。今お金があればその場で買ったかもしれないけど、そんなお金、今日持ってきてなかった。


 葵の誕生日を盛大に祝ってあげたい。横にいる葵には今は内緒だけどびっくりさせてあげたい。


 そんなことを思いながら俺は葵と仲良く家に帰った。

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