73話 let's go
朝ごはんを俺の家で食べた葵は着替えると言って自分の家に帰って行った。今日どこか行こうと言ったはいいもののどこに行くかは全く考えてない。
とにかく俺も着替える。最近はファッションにも気を使うようになったのでダサい服の組み合わせはしてないと思うんだけど。
「鈴。この服装どう?」
それでも不安なのでちゃんと鈴に見てもらう。
「鈴、こんな感じでどうかな?」
鈴は俺の全身をくまなく見つめる。査定する人のようにじろじろ見てくる。なんか恥ずかしい。これでダメとか言われたら俺は絶望に染まりそう。
鈴が俺から目を離した。どうやら審査は終わったようだ。さてどうだったろうか。
「うん。なかなか良いと思うよお兄ちゃん。ちょっと大人っぽくて落ち着いた感じが良いよ」
「お、そうか。鈴に合格をもらえるなんて嬉しいな」
「お兄ちゃん、今後はそういうファッションとかも葵ちゃんに見てもらったら?私が見てあげるのもいいけどお兄ちゃんの素をもっと葵ちゃんに見て貰った方がいいと思うよ」
鈴がめっちゃいいことを言ってくれた。そうだよな。俺のことを知ってもらうのも大事だ。でも不安もある。センスないよねとか言われたら死ぬかも。
葵ならそんなことはないと思うけど。
「分かったよ、鈴。今度からは俺の選んだ服をそのまま葵に見せるよ」
「そうした方が良いよ。でも安心して、お兄ちゃんちゃんと良いセンスしてるから」
鈴のお墨付きなら大丈夫かな。自信もついてきた。
「それじゃ行ってくる」
そう言って俺は家を出た。歩くこと5秒。葵の家に着いた。チャイムを鳴らしたらすぐに葵が俺を出迎えてくれた。
「よし!祐くん行こうっ!」
あても無く俺たちのお出掛けは始まった。
「どこに行く?葵」
今俺たちはとりあえずと言うことで市街地の方へ歩いていた。今は夏の9時30分。暑い!汗がめっちゃ出てくる。早く涼しい場所に行きたい。
「今日は遠出はできないからね。どうしよっか。あ、そうだ今夏限定でスイーツパラダイスってのを夢シティでやってるの。それに行かない?」
へぇ。そんなイベントしてたんだ。さすが葵。そう言う情報持ってるんだ。
「よし、ならそこに行こうか。スイーツパラダイスなんて行くの初めてだからどんなのかワクワクするな」
「私も名前しか知らなかったから、すっごい楽しみなんだ」
夢シティまでは後15分くらい歩いたら着くだろう。横にいる葵は今から待ちきれないって感じでルンルンだ。俺もそんな葵を見て楽しみになって来た。
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