72話 私のご褒美

「んっ」


 日差しが眩しい。さすが夏の太陽。これだけ日が登ってるなんて。時計を見たらもう朝8時...


 うつろうつろだった頭が一瞬で醒めた。げ!学校あるのに遅れる!遅刻したら皆勤がなくなるし!


「ん?」


 焦っていた俺だが横に葵が気持ちよさそうに寝ているのを見て少し冷静になった。昨日は日曜日。だから今日は月曜日。普通なら学校がある。


 あれ?でも金曜日に終業式があったし、昨日とか夏休み夏休み言ってたやつ(主に進と幸平)いたよな。うーん。


 考えること0.1秒。


「そうだ!今日から夏休みじゃん!」


 正確には土曜日からだけど学校がないのは今日からだもんね。


「ん〜。あれ祐くんおはよう。えへへ。また一緒に寝ちゃった」


「あぁ、おはよう葵。なんで葵がここに?」


 さっきよりさらに冷静になって考える。ここは俺の部屋。俺のベットに葵と俺が寝ていた。


「昨日の夜私が祐くんにマッサージしてあげたでしょ?」


 そうだった。昨日寝る前に葵が俺の部屋に突撃してきてマッサージしてくれたんだっけ。それで葵が上手いのと疲れてたのですぐ寝てしまったんだった。


 たしかに今気づいたけど、身体がめっちゃ軽い。いつもみたいに疲れが残ってたり、足のふくらはぎとかが張ってたりしない。ほんとにマッサージって効果あるんだ。


「すごいな。今俺の身体絶好調。ありがと葵。それでなんでここにいるんだっけ?」


「祐くんにマッサージしたら寝ちゃったでしょ?それで、私も家に帰って寝ようと思ったんだけど祐くんの寝顔が可愛くってね、寝顔見てたら私も眠気が限界だったの。祐くんにマッサージしてあげたし、ご褒美で一緒に寝ても良いよねってことで一緒に寝ちゃった」


 てへっと頭に拳をコツンとしてそう言った葵。マッサージしてもらったんだし葵がしたことをさせてあげるのが礼儀だ。


「なるほどね。それはいいど、今夏だし暑いだろ?布団一枚に2人で寝るなんて。クーラーつけてたけどそれでも暑いと思うんだが」


 夏場はクーラーをつけても少し暑い。たまに朝起きたら汗びっしょりだったこともある。あの時の寝起きはかなり最悪と言ってもいい。わかる人いたら教えて欲しい。


「私はそんなのどうでも良かったよ。祐くんとこうやって寝れたんだから暑くても寒くても大丈夫。あ、でも寒いとお互いもっとギューってくっついていられるよね。私今から冬の方が好き」


 謎理論により前まで夏が好きだったのに冬派に変えてしまった。ちなみに俺は春が1番好きだ。少し暖かくて桜が咲いていると最高だ。


「祐輔ご飯よ!葵ちゃんもいるんでしょ?一緒に食べましょ。葵ちゃんのお母さんから連絡があったから」


 一階から聞こえてくるお母さんの声。葵がうちにいるのを全く不思議に思っていない。あ、そう言えば合鍵を葵に渡したのお母さんだった。


「呼ばれてるしそろそろ下に行こうか」


「そうだね。あーあもっと祐くんと寝てたかったな」


 本気で少し寂しそうにいう葵。そんなに俺と寝るのっていいのかな。葵と寝るとか俺にはドキドキであんまり寝るどころじゃないんだけど。


「そうだ。今日部活ないしどこか2人で出掛ける?」


「うん!行く!よし、そうなったら早くご飯食べていくよ祐くん!」


 そう言い残してダッシュで階段を降りて行った。どこに行こうかな。いく前からワクワクする。


 夏休みが始まった。今年の夏を目一杯楽しもう。

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