55話 お疲れ様
「みんなお疲れ様」
話はかなり飛んで今は午後5時。1回戦は1対0でこのまま勝利した。
2回戦は打線が爆発したかのように点をとって
8対0で勝利した。明日の決勝トーナメントはくじを引いたところ2回勝てば優勝といういいところを引けた。
ミーティングも済ませて各自家に帰ろうとしているところだ。
「祐輔おつかれい。また明日な」
残っていた進も迎えが来たようで最後まで残ったのは俺と葵だけになった。自然とお互いどちらからでもなく指と指を絡ませて恋人繋ぎをする。
「楽しかったな葵」
「うん、ようやくこうやってまた祐くんと試合に出られたんだもん。嬉しいし楽しいに決まってるよ」
そういってはにかむ葵。やっぱり可愛いよほんと。
「おーい、葵、祐輔くん」
この場面で声を掛けてきたのは葵のお父さんだった。
「2人ともお疲れ様。見てたよ今日の試合。すごいピッチングだったね。葵...お前、祐輔くんとやれて嬉しいのはわかるけど試合中ずっとデレデレ顔だったぞ」
「ちょっと!お父さんそういうこと言うの禁止!!」
「はっはっは、まあ2人とも車に乗って。祐輔くんの方も頼まれてるからね」
「すみません、お願いします」
◆◆◆
葵のお父さんが運転する車の中。球場から家まではだいたい30分くらい。後部座席に座った俺と葵だがしばらくして葵の頭がカクンカクンとなってそのまま俺の肩に頭をくっつける感じて寝てしまった。まぁ、疲れちゃったんだろうしこのまま寝させてあげよう。
(あぁ、俺もやばいかも)
俺も後20分くらいの道のりを寝て過ごすことにした。
「ほんと2人は仲が良いな。祐輔くん、私の大切な娘を頼むよ。幸せにしてやってくれ。祐輔くんになら葵を任せられるよ」
葵のお父さんが言った独り言は誰にも聞かれることはなかった。
◆◆◆
「祐くん、起きて。もう着いたよ」
ゆさゆさと葵が優しく起こしてくれた。どうやら爆睡してしまったらしい。葵のお父さんにお礼を言って帰ろうとする。
「また後でね、祐くん」
「え?あ、うん?」
よく分からないまま何となく返事を返した。葵はルンルンって感じで家に入って行った。
俺も家に入ると鈴が迎えてくれた。
「お兄ちゃんお帰り!早くお風呂入って。あ!湯船は浸かっちゃダメだよ!シャワーしたらすぐに出て来てね!」
と試合から帰ってきてからまさかの一切ゆっくりさせてくれない状況が完成していた。いや、シャワー浴びるのは大賛成なんだけどね。
そういえば葵も「また後でね」って言ってたし何かあるのか?
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