48話 先輩はかっこいい

 その後も葵と文化祭を一緒に回った。焼き鳥を食べたり、おばけ屋敷に入ったり。おばけ屋敷クオリティー高くて俺も少し怖かった覚えがある。葵がキャーとか言ってたっけ。かわいかったけどあんまり言うと拗ねちゃうのであんまり言えない。


「あの時の葵かわいかったな〜」


 でも最後にもう一回言っておくことにした。これも思い出だよね。うん、そうだ。


「もう祐くん!何回も言わないでよ。ほんとに怖かったんだからね」


「わかってるよ。葵のキャーって声初めて聞いた」


「わわっ。ほんとに忘れてよ〜」


 忘れると口では言ったけど一生忘れないだろうな。ほんと良い思い出ができた。なんかこう言ってると3年生?って思われるかもしれないけど2年生です。


 そして俺たちは体育館に向かう。今は2時。これから体育館で閉会行事がある。ここであの動画を公開することになる。


「葵。今日楽しかった?」


「祐くんはどうだっの?」


「そんなの言うまでもないよ」


「私もそう言うことっ」


 そう言って葵はニコッと笑った。葵も俺と一緒で楽しかったってことなのかな。そうだったらいいな。



 体育館に入ると俺は葵と離れて動画の準備に取り掛かった。手を離す際に葵が名残惜しそうで寂しそうな顔をしたけど仕方ない。


「もうプロジェクターとかの準備は出来てるよ」


 佐々木 希さん流石だ。なら俺はパソコンに繋げれば良い。


 そうそうしているうちに時間が来た。佐々木さんがこの動画についての説明を終えて体育館が暗くなる。俺はプロジェクターの蓋を外して動画を再生する。


「これはこの十二条高校の物語だ」


 主人公役の先輩の声が全体に響く。良かった、ちゃんと動画は再生された。ほんとこれでパソコンが動かないとかなったら泣くところだった。


 この脚本をした佐々木さんはうんうんと多分納得しているんだろう、そんな感じの顔をしていた。


 動画については好評で拍手もたくさん起こった。


 でもこれだけじゃ終わらせない。俺はそのまま次の動画をクリックする。


 佐々木やほかの生徒会の人たちは「え?」と言う感じになっている。そりゃそうだ。これはサプライズでこれを知ってるのは俺と葵だけだから。



 ◆◆◆



 無事にどっちとものど動画の公開が終わった。最後終わった時は最初と同じくらいの大拍手を貰うことができた。


「それではあとは先輩お願いします」


 俺は自分のやるべきことを終えたので舞台袖に移動した。


「神子戸くんほんとにありがとう。私たち幸せものだよ。こんな最高な文化祭を開催できて。ほんとはもっと言いたいことがあるんだけどそれはまた後で言わせてもらうね」


「お礼なんていいですよ。俺1人が頑張っただけじゃないですから。みんなが楽しんでくれたならこの文化祭は大成功ですよ」


「ほんとに君は」


 そう言って佐々木さんは壇上へ上がって行った。その姿はやっぱり先輩と言うカッコいい存在だと思わせてくれる姿だった。

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