45話 クラスの女子
佐々木さんの開催宣言後、全校生徒の「うおー!」と言う声のもと文化祭2日目が始まった。俺と葵は2人仲良くいろいろなクラスの模擬店を見て回ろうとして...クラスのシフトに入らされていた。
「すっかり忘れていた。俺もシフトがあったんだ」
シフトの時間は1時間。それが終わればようやく葵と文化祭を回ることができる。
ちなみに俺たちのクラスは執事喫茶をするらしい。女子もメイドをしろと言う意見もあったらしいが、男子は料理できないし、そんな男子が役立つのはこれくらいだよ、と言うなんとも厳しい意見によりこう言うことになったらしい。男子頑張ろうぜ...
「神子戸くんもう着替えた?」
更衣室の外からクラスの女子が声をかけた。俺は借りたスーツに着替え、蝶ネクタイをしてドアを開けた。
「わぁ!」
女子の視線がめっちゃささってくる。やっぱり変?こんな服着たことないから不安しかない。
「あのさ、やっぱり似合わないよね」
「え?いや!すごく似合ってる!はやく葵ちゃんにも見せて来なよ!」
俺はクラスの女子には急かされて葵のいる調理場に向かった。
「葵」
俺が呼ぶと振り返った葵が俺の服装を確かめる。
「あの、葵これどうかな?」
「すっごくかっこいいよ!祐くん。いつもの祐くんもかっこいいけどスーツの祐くんもとってもかっこいい!」
「そ、そっか。良かった」
クラスの女子の前でそんなこと言われるとかなり恥ずかしい。周りを見ると女子が「うんうん」と頷いていた。
「祐くん写真撮ろうよ。こんな姿なかなか無いしいい思い出になるよ」
「そうだな、撮ろうか」
そう言って俺たちは2人で自撮りをした。俺はともかく葵のエプロン姿はとてつもなくかわいい。
「神子戸くん、私とも撮ろうよ。神子戸くんめっちゃかっこいいし私も狙っちゃおっかな」
クラスメイトの片瀬さんがいたずらっぽく話しかけて来た。すると葵がガシッと俺の腕を掴んで
「だめだよ!祐くんは私の人だもん!」
ガルルと言いそうな感じで片瀬さんに言った。
「冗談だよ〜。葵ちゃんたちすっごいラブラブだから私が付け入る隙なんてないもん。それでさっちょっと気になったんだけど2人ってキスしたの?」
俺と葵は顔を見合わせて一気に顔を赤くした。クラスの女子も目をキラキラさせて「どうなんだ。はよ言え。」と、目力で圧をかけてくる。
追い詰められた俺たちは「してない」とだけ答えた。
女子からは「ええーー??!!」と言う声が上がったけれどいつでもいいじゃん。
「あ、葵。俺そろそろ行かないといけないから、シフト終わったら一緒にいこう。」
俺はそう言って女子のことは葵に任せて仕事へと逃げた。
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