39話 もう帰るのね

お土産屋さんなどを回ってもう帰りのフェリーの中だ。本当はもっとたくさんいろんなところに行きたかったけれど明日から学校だし特に明日は通常授業だけど火曜日からは文化祭の準備になる。


 この学校は7月に文化祭をすると言う変わった高校だ。この話はその時になったらしたいと思う。


「どうだった?祐くん。楽しんで貰えた?」


「楽しかったよ。なんか神様の前でもう一回やるべき事を確認できた。葵ナイス!」


 俺はサムズアップして応えた。


「私もちゃんと今後のこと考えられたから良かったよ」


「そっか。良かった」


 そう言って俺たちは宮島を後にした。



 ◆◆◆



「もう家に帰るなんて〜」


「楽しい時間はあっという間だよな」


 今は午後の4時。夜遅くに帰るわけにもいかないのでそろそろ新幹線に乗らないといけない。


「まだ帰りたくないよ〜」


「仕方ないよ。そろそろ帰らないと明日から学校だってあるんだし。文化祭だってあるぞ」


「それはそれで楽しみだけど!もっとたくさん祐くんと遊びたかったよ」


 よほど葵は帰りたくない見たいだ。でももう広島駅に来てる。何か良いところはないかな。


「葵。なら最後に広島お好み焼き食べて帰ろうか。そう言えば食べてなかったしね。お昼も軽く食べただけだし、どう?」


 葵はパァーッっと顔を笑顔にして「うん!」と頷いてくれた。




 ◆◆◆



 ジュージュー


 俺たちは広島駅に隣接する駅ビルの中のお好み焼き屋に来ている。店内は4時だけどお客さんもいて良い匂いが漂ってる。


「お待たせしました〜」


 俺たちのもとに出来立てのお好み焼きがやって来た。ジュウジュウ音を立てていてとても美味しそうだ。


「「いただきます!」」


 俺が頼んだのが、そば肉玉子。葵はシーフード。


 そばとキャベツのマッチがとてもいい。それにけっこうボリュームもある。家に帰ったら自分で作りたいくらいだ。


「祐くんそっちも少し食べたいんだけどちょっと交換しよ?」


「あぁ、いいよ。ちょっと気になってたし」



 葵のシーフードもとても美味しかった。少しさっぱり系だった。



 ◆◆◆



「本当に終わったね」


「まぁ今日が終わっるだけだからね」


 もう俺たちは新幹線のホームに来ている。そろそろ新幹線が到着する時間かな。


「祐くんほんとにありがとね」


「どうしたんだ急に」


「野球観戦に誘ってくれて。私にとって最高の思い出を作ってくれて。私ほんとに嬉しかったの」


 楽しかったし、たくさんの思い出をもらったのは俺の方も同じだ。もっとたくさんの思い出を作っていきたい。


「俺もありがとな。また、行けたらいいね。もっと遠くでもいいかな」


「それも良いね!私つぎの旅行もすごく楽しみになっちゃったよ!!」


「俺もなっちゃったよ!!」


 そう言いながら着いた新幹線に乗り込む。ほんとにこの2日間は楽しかった。つぎの文化祭でも思い出を作っていきたい。


 とりあえず広島の思い出はこれくらいかな。


 俺は余韻に浸りながら目的の駅までの眠りについた。






 こんにちは九条 けいです!「小学生の時にした約束はいつまで有効ですか?」を読んでくださりありがとうございます。


 これまで応援、コメント、レビュー☆してくれた方とても励みになっています。まだレビュー☆していない方も面白いと思っていただけたらレビュー☆してくれると嬉しいです。


 これからも葵と祐輔の物語は続いていくのでこれからもよろしくお願いします!


 九条 けい

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