36話 おやすみなさい
今俺たちは2つあるベットの1つになぜか2人が寝ているというなんとも変な状態になっている。
「今日は楽しかったね祐くん。私今日のこと忘れられない思い出になったよ」
「俺もなったよ。これからも楽しい思い出作っていけたらいいな」
「そうだね祐くん。私は祐くんとバッテリーで女房役。実際にも女房。お嫁さん。きゃっ」
葵が1人自分の世界に入ってしまった。これは少しほっといた方が良さそうだ。
「で?なんで葵俺のベットにいるんだ?ちゃんとベット2つあるよね」
そう。本題はここだ。今平然と俺の横に寝ている葵。狭くはないけど流石に今日は疲れてるしちゃんと寝ないと明日にも響くと思う。
「んー?ちゃんと入れるし問題ないんじゃない?ほら。問題なし!」
「いやいや。今日、葵だって疲れただろ?明日もいろいろ行くんだからゆっくりちゃんと寝ないとまずいと思うんだが」
「そうかな?私は祐くんにくっついて寝たほうが安心して寝れる気がするんだけどなぁ」
上目遣いでそれを言うのは危険球退場レベルでやばい。
「俺が寝れないんだけど」
「どうして?前も一緒に寝たよね?」
前はなんかリラックスしてたし、葵のお母さんたちもいたし。1番の理由はやっぱり
「葵が横いたらめっちゃドキドキするの!前はサインとか決めてたしなんか緊張なんか無くなったけど、今はドキドキしっぱなしなんだよ!」
まじで心臓が持たない気しかしない。
「祐くん。私でドキドキしてるの?」
葵は俺の枕に顔を埋めて、手で布団をぽすぽす叩いてた。顔は見えないけど耳は真っ赤だ。
「いつもドキドキしてるよ。だって好きだもん」
「祐くんったらもう!私もいつもドキドキしてるよ」
葵が枕で顔隠してて良かった。今葵と目を合わせられないと思うから。
しばらく黙ってる時間があって本気で眠くなってきた。まだ葵は俺のベットを占領している。
「俺がもう一個のベット行こうか?」
「いやだ。祐くんと一緒に寝たい」
そこは譲らないらしい。
「...」
「どうした?葵?」
急に黙った葵。何があったんだ?
「祐くん。わがままな私は私はいや?」
あぁ。わがままな自覚はあるらしい。
「大丈夫。わがままな葵もそうじゃない葵でもそれが葵ならどんな葵でも俺は大好きだよ」
「祐く〜ん!私も大好き〜!嬉しいよ〜!」
ほんと最近俺が俺じゃない感じがめっちゃしてこんなに変わるの?って感じがしてならない。
「じゃあ寝ようか」
「いいの祐くん?一緒に寝て」
「まぁいいんじゃない?」
「なら失礼しまーす」
「え?」
俺の背中に葵がくっついて来た。一気に体温が上がる。冷房してるのに汗だ出て来た。
「んー。祐くーん。ぎゅーーー!」
もうなんか一周回って最高。大好きな人にここまでされると嬉しいくて最高だ。
「俺もしていい?」
「今日はだめ。今、祐くんにわたしの顔見せられない」
「そっか。ならおやすみ葵」
「うん。おやすみ」
今までにないくらい寝つきが良かった。
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