28話 野球観戦に行こう
「来たね祐くん!広島駅!」
「あぁ!来たぞ葵!広島だ!」
今俺たちは広島駅にいる。なぜ急にここに来たのか説明しよう。
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水曜日の夜。俺が晩ご飯のためにリビングに降りたらやけに機嫌のいい親父が椅子に座っていた。
「おう祐輔。見ろ!土曜日のカーブ戦チケットとれたぞ!」
「まじかよ。福利厚生のやつ?」
ちなみにカーブとはプロ野球チームの1つで広島が本拠地の球団だ。うちの家族はみんなカーブファンだ。親父の会社では福利厚生で毎月何人かにカーブの試合をくれるのだ。
「そうだそうだ。チケットは2枚あるから葵ちゃんと行ってこい」
「いや、なんで知ってんの?」
「そりゃお前の親だからな。そう言うのはもお見通しってことだ」
絶対母さんが言ったな。あの親父が分かるはずがない。
「まぁそう言うことにしとこうか。でも葵と行っていいのか?鈴もいいの?」
「鈴、土曜日ソフトボール部の試合があるからいけないの。だからお兄ちゃん!葵さんとイチャついていいよ!」
鈴はソフトボール部に入っていてショートのレギュラーだ。結構試合見たけど上手だと思う。ただイチャついて良いよってどういうことだよ、鈴。
「そっか。なら行かせてもらおうかな。葵に予定聞いてみるよ」
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「ってことなんだけどさ、土曜日葵は空いてるかな?」
次の日、朝登校中に葵に聞いてみた。もちろん手は繋いでる。これはいつもすることになったらしい。
「もちろん大丈夫!祐くんとデート2回目だね!それも遠出なんてわくわくだよ!」
葵は快くオッケーと言ってくれた。俺もすごい楽しみだ。葵と2人きりでマツダスタジアムに行くのは初めてだし。
昔は二家族一緒によく観に行ってた。でも今回は2人きり。変なことが起こらないように気をつけないとな。
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そして今に至るわけだ。今の時間は午後4時。午前中は練習試合があったので俺たちが出発したのは3時過ぎ。そこから新幹線でという訳だ。
「祐くん行こう?」
「そうだな」
葵も俺もまだカーブのユニフォームは着ていない。球場に着いてから着替えることにした。なにせ新しいユニフォームを買うとか葵が言い出したからな。
「葵。離れるといけないから」
俺はそう言って手を出した。葵が握ってくれる。周りからいろいろ歓声などが上がるが気にせずスタジアムに向かって行く。
ちなみに一泊予定なのでめっちゃ緊しているとも言っておこう。部屋は一部屋。
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