27話 お昼休み(3)
昼休みも20分を過ぎた。俺たちの高校は昼休みは1時間ある。なんでも勉強ばっかりじゃかわいそうだからとか。そのせいか授業はかなり厳しい。
今そんな話はどうでも良かった。そう、昼休みが長いということは昼ごはんを食べた生徒に見られる可能性がめっちゃ増えるってこと。
そりゃ夏で外にはあんまり出たくないとはいっても教室からでも下手したら見えるし。
「葵。そろそろ食べ終わった?」
早くここから逃げないと学校中に知られてしまう。そんなことになったら...
まぁ、問題ないけどやっぱりそっとして欲しい。
「あとウインナーだけなんだ〜」
「そっか。なら早く食べて教室に戻ろう」
葵もどうやら食べ終わる頃だったようだ。
「はい、祐くん」
葵は俺にウインナーを箸で掴んで出してきた。
「どうした葵?」
やりたいことは何となくわかるけどやっぱり葵さん積極的ですね。
「はい、あーん」
ここまできたらやっぱり経験上、葵は止まらないし、俺も全く嫌じゃないので
「あーん」
いただきました。
「どうかな祐くん。私あーんなんて初めてなんだけど」
葵が少し顔を赤らめた。うん。とってもかわいい。
「すごいいいね。俺もしたかったけどごめん。もう何も残ってないや」
ここまでくれば俺もしたかった。次からは何か一品残しておこう。
「さて、そろそろ教室に戻ろうか?」
「ん。祐くん」
葵はそう言って自分の膝をポンポン叩いていた。
「それはいつも以上にレベル高いって言うかなんて言うか」
こんなの誰かに見られたら学校中に拡散されるかもしれない。そんな学校公式バカップルとか。
「祐くん疲れてるように見えるし。私ばっかり祐くんに甘えてるから私も祐くんに何かしてあげたいの」
あ。疲れてるのはまぁ勉強してたからだからいいんだけど。俺的には葵にしてもらったこととかたくさんあるしそんな負い目みたいなのいらないんだけどなぁ。
「葵。でもここでそんなことしたら学校中にバレるしバカップル認定だけどいいのか?」
最後これだけは聞いておかないと。もしいいなら俺はバカップルでもなんでもいい。
「うん。そんなの気にしないでいいじゃん。私はもっと祐くんにひっついていたいくらいだよ。ずっと会えなかった分もっと愛して欲しい...」
ここまで言われたなら俺も大丈夫だ。他の人に何を言われても知らん。
「なら膝枕して貰っていいか?」
「うん。もちろんだよ」
許可も貰ったので俺は頭を葵の膝に乗せた。
「ふふふ。どうかな祐くん」
最高だ。最高に決まっている。
「もうめっちゃ心地いい。葵ってハードボールしてるから足筋肉で硬いと思ってたけどすごく柔らかくて気持ちいい」
「そっか〜。気持ちいいのか〜」
ゴツゴツしたベンチじゃなくて葵の膝は柔らかい。覚えとこ。
あ、眠くなってきた。やっぱり昨日1時まで勉強してたせいかも。
「葵。少しだけ寝させて貰っていい?すごく良くて寝そう」
「いいよ。少ししたら起こすね」
そう言って頭を撫でてきた。葵の手サラサラで心地いい。
「祐くん。大好きだよ」
「俺もだよ。葵」
そう言って俺の意識は消えた。
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