18話 遊園地


 俺たちが来たのは、県内にあるワールドタウンって言う遊園地だ。日本有数の場所で、土曜日なだけあって人も多い。


 今は葵と手は繋いでない。流石に恥ずかしい。葵は不満そうだったけど、ここは仕方ないよね。バカップルじゃないんだからさ。



 入場ゲートを通過して、最初に乗ったのはまさかのフリーフォールだった。もう俺は記憶がない。こんな乗り物には二度と乗らないとこの時誓った。葵はまた乗ろうねとか言ってるけどこれは無理だ。


 その後も俺たちは楽しい時間を過ごした。今は夜の7時。最後に観覧車に乗ろうってことになった。


 俺はふと思った。葵って俺のどこが好きなんだろう?


 今は葵と向かい会っている。一周12分もする大きな観覧車。そんな中で葵と2人きり。緊張しないわけがない。


 葵は外を見ていたが、今は俺の方を見ていた。


「祐くん?ちょっと難しそうな顔してどうしたの?」


「ん?いやなんでもないよ」


「ほんと?何かあったならなんでもいいから言って欲しい」


 葵の真剣な瞳を見て俺は白状した。


「葵ってさ、俺のどこを気に入ってくれたの?」


 なんか自分で言っても照れるセリフだな。ほんと今日はそんな感じばっかりだ。


「とってもかっこいいところ。真面目なところ。一生懸命なところ。苦手だった勉強をすっごく頑張ってるところ。他にも色々あるけど、私のことを好きって言ってくれたこと。好きなところがありすぎて困っちゃう」


 ボッっと顔に熱がきた。すごく嬉しい。自分のことをここまで認めてくれていることが。今まで頑張ったところを好きな人にここまで言って貰えるっていうのは最高だな。


「祐くん、顔赤いよ?」


 ここでそれを言うなよ〜葵!これは仕方ないよ!


「いや、嬉しくてさ。葵にそう言ってもらったのが」


 これからは葵に誤魔化しを使うのはしないって決めた。だから今言ったのは普通なら言わない本心だ。


「そっかっ!ほんとはもっと言いたいんだけどね」


「も、もういいよ!葵が思ってることは伝わったから」


 これ以上言われたら蒸発してしまいそうだ。


「祐くん。祐くんは私のどこが好き?」


 ふふん。これはいくらでも言えるな。葵の顔が赤くなるのを期待しよっと。



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