14話 デート前の葵

 私、若宮葵(わかみや あおい)は浮かれていた。


「明日は祐くんとデートだぁ!」


 祐くんとは明日の準備をすると言って今日はお別れした。そして今はこの通り私は浮かれに浮かれていた。もう足取りが軽くてスキップしちゃいそう。


「うーん。この服かなぁ」


 今私は明日着ていく服を選んでる。さっき祐くんの妹の鈴ちゃんにどんな服がいいか聞いたけど祐くんはおしゃれは全く分からないみたい。


「なら、私が一番いいと思うのを買おう。祐くんに喜んで貰えるといいな!」


 そうして私はまた気合を入れて服を探してた。





 その日の夜。私はベッドの中で明日のことについて考えていた。


「明日、ちゃんと祐くんに好きって伝えないと...う〜緊張する〜。もし振られたりしたら」


 私の中で最悪の事態を考えてしまった。もし振られたらもう私は生きていけないかも。それくらい私は祐くんのことが大好き。だからこそ早く誤解は解きたい。


「小学校6年生の時からもう高校2年生。ほんと早いな。祐くんは別れ際にした約束覚えているかな」


 それは私と祐くんがお別れする直前にした2人だけの約束。


(次またバッテリー組めるようになったら俺と付き合って欲しい。俺はその時までにめっちゃすごいやつになってるから)


(うん!私もそれまでにもっとかわいい女の子になってるから!)


((約束!))


 そうやってお別れしてから私はとても頑張った。他にもいくつかしたけどね。約束。

 でも祐くんは多分それ以上に頑張ったと思う。そんなに頭良くなかった祐くんが全国模試でも上位に入るなんて。並大抵の努力じゃないはず。何回も告白もされたのに全部断った。


「それも私との約束のせいなのかな」


 ずっと私のことを覚えておいてくれたのは嬉しい。だけど私との約束のせいで祐くんは辛いこともあったんじゃないのかな。


「まずいよ。こんなことばっかり考えちゃ。もう寝ないと」


 そうやって私は寝ようとした。だけど1つ思ったことがあった。


「私は約束とか関係なく祐くんが好き!」


 約束したからとかじゃない。私は本気で祐くんのことが好き。


 そして私は眠りについた。



 朝。私は準備をして駅に行った。家が隣なんだから一緒に行けばいいじゃないと思うかもしれなかったけど、私はデート感覚を味わいたかったの。祐くんと初めてのデート。昨日考えたことは今は考えない!


 私は駅に着いた。そこにはとってもカッコいい祐くんと知らない女性2人がいた。私は声を掛けずらかったけど祐くんが言った


「大事な人を待ってるので」


 って言う言葉が嬉しくて私は覚悟を決めて祐くんに喋りかけた。


 そしたら女性2人は私たちのことをカップルとか言ってきちゃった。顔が熱くなったのがわかった。

 それにかわいいとも言われてもう最高だった。


 だけど祐くんはとっても真剣な目で私を見て言った。


「葵。聞いて欲しいことがある」

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