13話 葵と待ち合わせ
覚悟を決めた昨日の夜。それから一夜明けて今日は葵と遊園地に行く日だ。今時刻は8時30分。かなり早く来すぎた気がするけど遅れるよりましだ。
葵との集合時間は9時。家が隣なんだから一緒に駅まで行けばいいのにとか思うけど、これもまた一興かな。
「さて。葵が来るまでどうしていますかね〜」
今日の俺の服装は昨日、鈴が選んでくれた服だ。髪も少しセットしてある。鈴にめっちゃ褒められたし大丈夫だろう。
「ねぇ。ちょっとそこのお兄さん」
「はい?」
知らない女性2人組みに声をかけられた。道が分からないのだろうか。
「ちょっと私たちとお出かけしない?お兄さんめっちゃイケメンだからさー。誰も待ってないんでしょ?さぁ、早く行こ」
「え?あの俺待ってる人がいるんで」
「えー?ならさちょっとだけ喫茶店とか行こうよ〜。」
「あの、すみません。本当に俺の大事な人を待ってるので」
めっちゃ食い下がるなこの人たち。葵〜早く来てくれー!
「祐くん、おまたせ...」
「あ、葵!」
「えーー!お兄さんこんな可愛い彼女とデートなの!?なら仕方ないね!デート楽しんでね。彼女さん羨ましね〜!」
行ってしまった。なんだったんだ、あの人たち。つーか彼女じゃないんだよ。なんかヘコむかも。
そんなことより葵めっちゃ可愛いんだが!俺には何度も言うようにファッションが分からんから細かくは言えないけど。白のワンピースで髪にヘアピンをしてるってことくらい。とりあえずめっちゃ可愛いってのだけ分かってもらいたい。
「あぁ。葵、おはよ」
「うん、おはよう。さっきの人たちって?」
「なんか急に声かけられてさ」
「そっか。それより祐くんとってもかっこいいね」
「そ、そう?それならいいんだけど」
「うん、とってもいいよ。」
「そっ、かありがと。葵もすごい可愛いよ」
「え?え、えへへ。嬉しい」
笑う顔もかわいいな、おい。これはあかん。いろんな人が俺たちを見てる。
だけど、俺はここで勝負をする。曖昧な感じで行きたくない。振られるならそれでいい。でも自分の気持ちを伝えておきたい。俺は逃げないし葵を諦めることもしない。
「葵。聞いて欲しいことがある」
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