8話 勘違い
私は風間くんの言っていることが良く理解出来なかった。祐くんが他の女の子に取られちゃうって?いやだいやだ。そんなの絶対いや。そこで私は祐くんの好きな人が誰なのか調べようと思った。
「ねぇ、風間くん。祐くんって誰のことが好きなの?クラスの子?」
私の声は震えてなかったかな。とても不安。祐くんの好きな人は私じゃないって言う絶望。いろんな感情が私の中をグルグルしてる。
「祐輔の好きな人は今と変わらず葵だよ。小学校からずっとな。」
「え?」
風間くんの言った言葉に私は耳を疑った。私のことを祐くんは好き。それを知って私は顔が赤くあるのを感じる。口元も緩みそうになっちゃった。とても嬉しい。本人から言われた訳じゃないのに私は踊りそうになっちゃう。でもなら風間くんはどう言う意味でさっきの事言ったんだろ?
「風間くん。さっきのはどう言う意味なのかな?他の女の子が祐くんに告白するとか?」
「今まで何度か告られてたけど全部断ってたからな。祐輔は。好きなのは葵だよ。ただ祐輔は葵のことを諦めようとしてるんだ。」
「ん?どう言うこと?」
本日2回目の風間くんのよく分からない発言。これはどう言うこと?私を諦める?私たちってお互好き同士じゃないの?
「前にさ、葵クラスの女子から好きな人居るか聞かれてただろ?それで祐輔は葵の言葉に勘違いしてさ。好きな人は自分じゃない他の奴なんだろうって思ってんだ。それで葵の恋を応援しようとか言ってんだよ。」
「え?え?」
私は混乱した。祐くんは勘違いしてる?私が祐くん以外に好きな人が居ると思ってる?それであきらめる?また頭がグルグルなってしまった。どうしよう。せっかくまた一緒になれたのに。私が言葉に詰まっていると
「だから早めに勘違いを解くんだ。明日は部活は先生不在で休み。分かるな?」
私は風間くんの言う事を理解した。そう言う事ね。明日が私の人生を賭けた勝負。絶対に初恋の人と一緒になりたい。あの約束を祐くんが覚えててくれたなら絶対大丈夫。そして私は笑顔で風間くんに返した。
「うん。分かった。私は祐くんがすきだから!」
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