7話 思い出話
私の名前は若宮葵。
私は祐くん、神子戸祐輔くんと幼稚園の頃とからの知り合い。小学校でもよく一緒いて祐くんがハードボールを始めたのが私のハードボールを始めたきっかけ
最初は祐くんがやるなら私もやろうかな〜くらいだったんだけど実際やってみると面白いの。
小学校四年生くらいで祐くんはピッチャーになったの。
チームメイトの中で球も速くてしっかりしてるから大丈夫だろうって。
チームメイトって言ってもみんなで9人。
同じ小学校の同級生なんだけどね。
ならキャッチャーは誰がやるのってなった時に私は思いっきり手を挙げた。
だってあの頃から私は祐くんの事が好きだったから。
祐くんの球を受けたかった。
2人でバッテリーなんて最高じゃない。
でもそんな甘いものじゃなかった。
祐くんの球は速いしキレがいいから、よくボールをこぼしてしまったのよね。
だけど祐くんは「絶対葵なら取れる!俺たちは2人で1人なんだからさ。頼むよ葵!」って。
「2人で1人」って言われてとっても嬉しかった。
そしていつのまにか祐くんの球だったらどこに来ても取れるようになったのよね。
そこからは祐くんすごくいいピッチャーになって試合でも勝てるようになったのよね。
私は試合に勝った後のハイタッチがとっても好きだった。
この時はマウンドで2人だけの空間って感じがしたから。
そして小学校六年生の夏。
県大会決勝を最後に私は祐くんと離れてしまった。
別れ際に2人でした約束。祐くんは覚えてないんだろうなぁ。
私は全部覚えてる。
そして祐くんとの約束を果たすために私はハードボールも勉強も頑張った。ちょっとオシャレをするようにもなった。
全部祐くんのため。
重いとか思うかもしれないけど好きな人のために頑張るのは普通のことよ。
だから彼氏なんて作らなかった。
祐くん以外彼氏なんて有り得ないもん。
でも祐くんが約束覚えてなかったのはちょっと寂しいな。好きな人も居たなんて。
でも私は祐くんと結ばれるって信じてる。
「って私何考えてたんだろ。」
昔のことを思い出すのは良くある事だったけどやっぱり祐くんに会えてからドキドキしっぱなしだな。
久しぶりに受けた球、すっごく速かったけど祐くんの気持ちがすごいこもってた。
昨日だけで今までの時間を取り戻したかのよう。
「いろいろ考えてたら学校着いちゃった」
とそこで私はチームメイトの風間くんに出会った。
そう言えば風間くん彼女さん居たんだっけ。私の方に来るけどどうしたんだろう。
まさか私何かした?
「おはよ若宮」
「うん、おはよう風間くん。どうしたの?」
「若宮って祐輔のこと好きか?突然だけど」
私は何言ってるか一瞬分からなかったけど言われたことを理解した途端顔が熱くなった。
「だろうな。小学校の時からだろ?見てりゃわかるよ」
私は小さく頷くことしかできなかった。
とっても恥ずかしい!
動揺している私に風間くんは続けて言った。
「ならはやく気持ちを伝えないと、祐輔他の女の子のものになっちまうぞ」
それを聞いた私は気絶しそうになった。
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