第100話 エピローグ
私がヨトゥンヘイムに飛ばされて居なくなった後、アストリア王国のある大陸ミズガルズでは大きな動きがありました。
フランク国王と神聖アリタリカ帝国の旧体制派議員達が結託して、ミズガルズ各国を侵略したのです。
その背景には、ミズガルズで生き残っていた上級魔族達による協力がありました。
ミズガルズは神聖フランク帝国として統一されてしまい、フランク国王が初代神聖フランク帝国皇帝を名乗り君臨したのでした。
◇ ◆ ◇
私はエイルちゃんと共に、神聖アリタリカ帝国議会改め神聖フランク帝国議会に降臨しました。
オーロラの様な光の帯が議会場に降り注ぎ、白い大きな翼を広げたエイルちゃんと手を取り合って、議会中央に降り立ちました。
私は【転移門】を開き、ヨトゥンヘイムからメングロズ前女帝と上級魔族達を招き入れます。
それを見たミズガルズの上級魔族達がひれ伏しました。
「お待ちしておりました。我々は、ヨトゥンヘイム帝国皇帝メングロズ様にミズガルズを献上致します」
「何だと!謀ったな」
自称フランク皇帝が激怒します。
「ミズガルズの民は、マリエルの言葉を聞きなさい」
と、エイルちゃんが優しく議員達を諭します。
「暴力を廃して、丁寧にゆっくりと飽きずに議論を尽くし、平和な世界を実現しましょう。『和を以て貴しとなす』です」
ヨトゥンヘイムの宰相が音頭を取ります。
「ミズガルズ新皇帝陛下マリエル様、バンザ~イ」
「「「バンザ~イ、バンザ~イ、バンザ~イ」」」
「ヨトゥンヘイム皇帝陛下マリエル様、バンザ~イ」
「「「バンザ~イ、バンザ~イ、バンザ~イ」」」
「そっ、そんな馬鹿なあああっ!」
フランク元国王は王冠とローブをはぎ取られて、議会場の外へ放り出されました。
「私達を正しく平和に導いて下さる天の神に感謝いたしましょう」
◇ ◆ ◇
私はアストリア王国のレオポルド侯爵邸に転移して、皆の無事な顔を見て喜びました。
夕食を皆と食べて歓談して、自室に入りエイルに呟き、神に感謝しました。
「エイルちゃん、無事にアストリアに帰ってこれました。
どうもありがとう。
これからもズット
「私達の天の神様、お導き下さり感謝しています」
エイルがマリエルに呟き返します。
「マリエルちゃん、ご苦労様でした。
でもまだ、やり残した事がありますね。
マリエルちゃんありがとう、向こうの家族も幸せにね!」
◇ ◆ ◇
麻里絵が気が付くと、そこは病院のベッドの上でした。
「知らない天井だ!」
お約束ですからね。
「麻里絵お姉ちゃん、助けてくれてありがとう」
意識が戻った。と聞いて訪ねてきた幼女にお礼を言われました。
退院して、お母さんと一緒に家の前まで来ると。
お父さんと、黒猫を抱いた幼馴染の中田健ちゃんが、玄関前で待っていました。
ケンちゃんがニッコリ笑います。
黒猫が真っすぐに麻里絵を見つめています。
「お母さん、お父さんってカピバラに顔が似てたんだね」
「そうね、ハンサムでしょ?」
「まっ、まあね……」
「麻里絵、お帰り」
「お父さん、ただいま。心配かけて御免ね」
「無事で良かったな、キュル!」
「えっ……」
「マリちゃん、お帰り」
「ニャ~ン」
「ただいま~」
タッタッタッタ……
私はケンちゃんに駆け寄り、抱き付いてホッペにキスをしました。
「ただいまっ! ケンちゃん、スズちゃん。これからもズットよろしくね!」
「エイルちゃん、どうもありがとう」
『いいのよ、私達
でも、
チートなんて簡単にあげないんだからね! ウフフッ』
マリエルは地球の人生を
最後までお読みくださり、有難う御座いました。
チートなんて簡単にあげないんだから まきノ助 @mayu49nancy
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