295 スケスケパンツ


「ご苦労だったな巫女殿。それなりに使える宝物もあった様で何よりじゃ」


 うん、俺が鑑定した以外のところでいくつか有用なのがあったね。


「それでじゃ、このスケスケパンツに関してじゃが、宝物庫にあった以上、何かの魔法がかかっておるのではないかと宮廷魔術師団から意見が上がってきておってな。巫女殿に鑑定してもらいたいんじゃが」


 う、まあ宝物庫にあったと言うことは何かの意味があるんだろうけど。本当に鑑定するの?


「うむ。このままじゃと、宝物庫にあったものをただ捨てるだけになるからのぅ。宝物庫にあったものを誰かにつけさせるわけにもいかんしな。何らかの魔法のアイテムである事を祈ろう」


「はあ、分かりました。鑑定すればいいんですね。ただのパンツでも責任持ちませんからね」



『聖女のパンツ 神聖魔法の効果が上がる 女性のみ』


 おおっ、まともな機能じゃないか。ん、もうちょっと詳しく載ってるな。


『聖女のパンツ 神聖魔法の効果が上がる 女性のみ 処女だとさらに効果アップ』


 使える機能だけどネタにしか見えん。



「なんと、神聖魔法の効果が上がるのか!これはすごい!教会で誰か選別させて効果を調べんとな!」


 もしかして、複数の人でパンツを共有するんでしょうか?いや、洗えばいいんですけどね。代々の聖女がパンツを引き継ぐって、多分教会の極秘事項になるんじゃないか?


「あれ、巫女様っていらしたんじゃなかったですか?」


「うむ。じゃが、巫女が果たしてここで言う聖女に当たるかが微妙じゃ。もちろん比較はさせるが、それ以外の者にも効果があるかは確かめんとな」


 なるほど。人族の巫女は聖女って呼んでるけど、獣人大陸では聖女って呼び方してないからね。


「これだけでも鑑定した価値はあると言うもの。良い掘り出し物じゃ。教会にいくらで売りつけてやろうか。ふふふ」


 陛下、それは教会に寄進すべきものでは?



 しかし、スケスケパンツか。リリア用に一つ作らせてもいいかも。黒のレースとかもありだな。いや清純に白の方がいいか?エロく紫というのも良さそうだ。ふむ、服飾職人と相談してみるか。


「巫女殿、このスケスケパンツじゃが、、、」


「聖女のパンツです」


「うむ、聖女のパンツじゃが、洗ったら効果がなくなるとかはないじゃろうな?」


「は?」


「うむ。巫女といえども人間じゃからな。さすがに洗ってもない下着は着たくないじゃろうて」


「それって洗うと効果が無くなる場合、洗わずに着させるって事ですか?」


「うむ。それはしたくないからのう」


 うわ、巫女さんかわいそう。



『聖女のパンツ 神聖魔法の効果が上がる 女性のみ 処女だとさらに効果アップ 洗っても大丈夫』


 いや、洗っても大丈夫か考えながら鑑定したけど!けど!「洗っても大丈夫」って鑑定結果なに!?鑑定ってこんなに便利なもんじゃなかったでしょ!


「あ、洗っても大丈夫みたいです」


「うん?うむ、そうか。さすがは巫女殿の鑑定じゃな。そんな事まで分かるとは。半分冗談だったんじゃが」


 俺もここまで分かるとは思わなかったよ!


「これで安心して綺麗なパンツを履かせられるな。ああ、巫女殿には報酬を出さんとな。これだけ優秀な宝物を発掘したんじゃ。何か良い報酬はないかの」


 現金がいいです!今は現金が必要なんです!


「そうじゃの、このスケスケパンツの類似品をいくつかどうじゃ?もっとすごいのもあるぞ?好きじゃろう?」


「それでお願いします」


 いや、だって、欲しいじゃん?!陛下とこんな下ネタで話せるとは思ってなかったけど、王宮にある様なすごいパンツだよ?俺の想像もできないほどのパンツに違いないよ?


「うむ、では後ほど屋敷に届けさせよう」


 うん。現金はアヴァロンさんからの金貨15枚だけの予定だったからね。予定通り予定通り。




「ジン様、王宮から荷物が届きましたが、どうしましょうか?」


 おお、これは約束の品か!


「ああ、それはリリアへのプレゼントだ。陛下にお願いして手配してもらった」


 是非、今晩はいてください!


「そうですか。開けてもよろしいですか?」


「あっと、それは部屋で一人の時に開けてくれるか」


「はあ。承知しました」





「ジン様!これはどういう意味ですの!」


 リリアが見せてきたのはスケスケパンツ、ではなく、でっかいブラジャーだった。


「私の胸が小さいという嫌味ですか!それとも他の女と間違えたんですか!」


 いや、そんなはずは、、、スケスケパンツの類似品と言ってたからパンツのはずなんだが。


「パンツは入ってなかったのか?」


「私はあんなにお尻は大きくありません!」


 おや、もしかして体の大きい人用の下着だった?


「説明してください!」


 俺は一晩かけてあらましを説明することになった。鑑定の結果は教えれないので、聖女のパンツはぼかして、陛下からの推薦品ということで説明した。あくまで陛下の趣味ということで納得してもらった。




「陛下!あの下着はなんですか!」


「うん?あれだけの大きさの女性を想像したら興奮するじゃろう?一人でするときには必要じゃろう?」


「しません!」


 リリアがいるのに何が悲しゅうて一人でせにゃならんのだ。





*****

閑話でもいいのですが、陛下と仲が良くなる話は必要だったので本編にしました。下ネタですがご了承ください。


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