254 閉鎖空間?
トラップに引っかかって進んだ先に階段?
行き止まりならまだ分かるが。
階段という事は、さらに下の階層に続くという事だ。トラップなら一階層だけで十分のはずだ。
なら、深層に落ちたか、、、いや、それなら上への階段もないとおかしい。トラップ、または隠し通路からしか来れない空間だと思った方が良いだろう。
つまり普通に攻略した場合のダンジョンとは別物という事だ。
ただでさえ未攻略のダンジョンなのに、さらに発見されてない未知の階層だなんて冗談じゃないな。
神様、この扱いは酷いと思いませんか?いや、神様が助けてくれるなんて思ってないけど、愚痴をこぼせる相手もいないので神に語りかけてみた。
「。。。」
なんか反応があったような気もするが、気のせいだろう。神様は俺たちなんか気にしてもいないだろうしね。
下の階層に降りると、壁に降りてきたみたいで、広い部屋だと思われる。だって、階段のあった壁以外、視界に壁がないんだもの。
<光魔法>を強くして、、、も壁が見えないな。どんだけ広いんだ。
この階層も魔力を使いにくい空間らしく、ただの灯りの魔法でも使っていると魔力を削られる。
だからと言って灯りをつけないのはあり得ないが。
壁に沿って進むか、垂直に真っ直ぐ進むか。
まずは壁に沿って進んで部屋の大きさを確認するのが先決かな。
剣を落として、、、剣先は右を示した。右だな。
方向が決まったら、あとは歩くだけだ。
一度魔力感知を頑張って使ってみたが、魔物の気配はなかったので、スピードを優先する。このダンジョンを抜け出すのにどのくらいかかるか分からないので、急ぐに越したことはないのだ。食料には限りがあるのだから。
しばらく進む、、、進む、、、進む。
おかしい。どこかで突き当たると思ってたんだけど、全然だ。
戻るか?いや、すでに何時間も進んで来たのだ、ここで戻るのはもったいない。せめて何か手がかりでも見つけないと。
進む、、、進む、、、進む。
お、壁に階段があるな。上への階段だ。
おかしいな。この階段、見覚えがあるような気がする。いや、そんなはずはない。ここは登って確認するところだろう。
階段を上がると、まっすぐに通路が伸びていた。まさかね。
しばらく進むと、左に折れ曲がっていた。違うと言ってー。
さらに進むと、左側に部屋があった。小さい部屋だ。特に何もない。
さらに進むと、右に折れた。これはもうあれか。
突き当たった。部屋があり、その前には骨が粉々になったような白い跡がある。確定か。
さっきの上りの階段は、俺が降りた階段だわ。下の階は空間が歪んでるのか、右に行ったはずが、左から出てきたという事だろう。
はあ、今日はこの部屋で寝るか。
この階層は魔物は出ないみたいだしね。ゾンビ?もう素材もないし、大丈夫でしょ。
翌日、俺は下の階層にきていた。
昨日?特に魔物も出なかったし、ゆっくり寝れましたよ?
階段の下で悩む。左に行って、右から戻ってくるのを確認するか、このまままっすぐ進んで中央か反対側の壁かにぶち当たるのを期待するか。
こういう時は剣先で決めるのがいいな。
剣を真下に落としてっと。後ろ?いや、やり直し。うん、前だな。よし、垂直にまっすぐ向かおう。
階段からまっすぐ前に進むと、もう前も後ろも分からなくなる。灯りの範囲が狭いからだ。
魔力込めて範囲広めても意味ないだろうしな。こんな空間歪めてるような場所、頭で理解しようとする方が間違ってる。こういう時は勘に従った方がいい。
という事で、途中で右に曲がってみた。
まっすぐ進む、進む、進む。
うん、壁が見えたな。右に曲がったから右の壁のはず。空間が歪んでなければ。
ここに保存食を置いてと、壁沿いに進みますか。
進む、、、進む、、、進む。
ああ、やっぱり保存食が見つかったか。途中で階段がなかった事から、前の壁とは別の壁なのは確かだろうけど、それぞれの壁が空間で断絶されてるってことか。
とすると、角が怪しいな。反対側の角につながってる可能性が高い。
今回の壁で大体の大きさは分かった。保存食のある場所に戻ってくる距離の半分が部屋の大きさと言ってもいいだろう。
よし。斜めに進んでみよう。
真ん中に何かある可能性もあるけど、まずは四方を確認するのがセオリーでしょう。
お、壁にぶつかった。空間が歪んでなければこの壁が階段の向かいの壁のはずだ。どれ、保存食を2個置いてと。
壁沿いに進む、進む、進む。
おお、やっぱり保存食が2個あるな。長さも横と同じくらいと。
つまり正方形の部屋だということだな。
よし、なら確認するのは最後の壁だ。斜めに進んでと。保存食を3個置いて壁沿いに進んで、はい、保存食3個発見。
うん。空間の歪みは角という事でいいだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます