176 ギルド再々登録
国境を越えると、3日ほどでイングリッド教国首都のアラートにつく。
入り口でやはり、ヤパンニ発行のギルド証に文句を言われたが、ザパンニ王国のギルドカードを持つメアリーたちが保証してくれたので、入ることができた。
やっぱり作り直した方がいいかな?
「どう思う?毎回もめるのもアホらしいんだが」
「確かにそうですわね。この国で作り直しましょうか。また私たちと依頼を受けてDランクにあげればいいですし」
「リリアはどう思う?」
「はい、作り直した方がいいと思います。他の国に行っても同じことが起きるでしょう」
「そうか、なら作り直すか」
「すいません、新規登録をお願いしたいんですが」
「保証人はいますか?」
「保証人ですか?そんなのがいるんですか?誰でも登録できると聞いたんですが」
「はい、最近導入された制度ですが、冒険者カードを身分証明書として使える以上、ある程度信用できる保証人があった方がいいだろうと言う事です」
「それは全国的に決まったことですか?」
「いえ、イングリッド教国内での決まり事です」
「わかりました。ザパンニ王国のCランク冒険者で大丈夫ですか?」
「はい、それなら大丈夫です」
「メアリー、ギルドカードを」
「はい、確認しました。カードを作成しますね。こちらの水晶に触れてください。はい結構です」
「では、ギルドについて説明しますね。
、、、、、、
、、、、、、
、、、、、、以上です。ご質問はありますか?」
「いえ、大丈夫です」
俺この説明何回聞いただろう?
「はい、ギルドカードができました。無くさないように気をつけてくださいね。再発行に銀貨1枚かかりますので」
3枚持ってますが、何か?
俺はすぐにCランクの依頼を見始めた。
護衛や討伐など一通り揃っている。討伐を中心に見ていくと、北の魔の森周辺の魔物の間引き、というのが見つかった。間引き?どうやって証明するんだろうか?
「すいません、この依頼なんですが、北の森の魔物と他の魔物はどうやって区別するんでしょうか?それにもし見つからなかった場合はどうなるんでしょうか?」
「はい。首都アラートの周りでは北の森以外では滅多に魔物がいません。なので区別する必要はないのです。また、見つからなかった場合は、奥に入ってでも見つけてください。最低でも1体は討伐の必要があります。
報酬は間引いた魔物のランクと数で決まります。基本報酬というのはありませんので、ご注意ください。見つけられなかった場合はペナルティとして、街中の掃除などが割り振られます。
「最近の魔物の感じはどうですか?活発になってるとか少ないとか」
「最近はおとなしいですが、それでも毎日何らかの魔物が溢れてきます。俗にはぐれと呼ばれるものですね。なので、見つからないことはないと思います」
「なるほど、ではこれを受けます」
「すいませんが、これはCランク依頼です。登録したばかりのFランクには受けれません」
俺はメアリーに依頼表を渡す。
「依頼を受けたいんだが」
メアリーのCランクのギルドカードを提示する。
それと、彼とパーティを組みたいので、手続きを。
「承知しました。少しお待ちください」
「はい、登録が完了しました。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
毎回メアリーに依頼を受けさせるのも手間だな。まあ、パーティ登録したから大丈夫だと思うが。
「じゃあ、明日から魔の森で探索だ。マリア、食品関係は頼むぞ。クレア、武器の手入れを。メアリー、リリア、宿を探すぞ」
それぞれが散らばった。俺たちも宿をとる。中級の宿だ。
「また温泉とかないかしら」
リリアが言うと、
「そうね、温泉とは言わないからお風呂が欲しいわね」
とメアリーも風呂に入りたいようだ。
この街にある風呂は高級宿のみだ。領主館は知らないが。
「そういえば、この国は教国だと言うが、誰がおさめてるんだ?」
「教国は教皇を頂点にした縦社会ですわ。教皇が王と考えればわかりやすいかと。各地の領主は教会の司教や司祭などが担っています。神殿で役所仕事をしている領地もあるそうですわ」
「それだと、神殿は誰が運営しているんだ?」
「基本的に、神殿も領主館も同じ司教などが役を担っています。ですが大概は、より下級のものが神殿を代理しているようですわね」
「ふむ、税金とお布施の両方が懐に入るのか。ぼろ儲けじゃないか」
「ええ、それに税率も高いですわ。他の国の5割増しと言われていますわ」
「そんなに高いのか。よく農民がやっていけるな」
「神の試練だとかで、むしろ喜んで納めてるらしいですわ。もちろん教会のいうことですので、それを信じれば、の話ですが」
「まあ、執政者が有能ならいいんだけどな」
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