154 閑話 <召喚魔法>初級


俺は初級の召喚魔法の前にいる。一応帝都の郊外に移動している。

リリアたちは買い物でもしているだろう。


今回はクレアとマリアを護衛についてきてもらっている。

俺が召喚している間に邪魔が入ると面倒だからだ。帝都の周辺は安全だとはいえ、全く危険がないわけじゃないしね。




俺は<召喚魔法>の初級の魔法陣を地面に書く。

端に手をつき、魔力を流していく。最初は0.01ポイントくらいから徐々に増やしていく。一定以上魔力を込めると暴走するらしいので、どの位魔力を込めていいのかが分からない。魔力を流し始めてからしばらくたち、1ポイントあたりで反応があった。

魔法陣が白く光り出し、魔法陣の中に魔物が現れる。


ん?気のせいか?スライムの様に見えるんだが。。。


いや、間違いないな。あれはスライムだ。


<鑑定>


種族がミスリルスライムとなっている。俺の知っている魔物にミスリルスライムは無い。新種か?亜種か?

ステータスを見るとこの様になっていた。


名前:

種族:ミスリルスライム


身体lv1

HP 40

MP 1

筋力 1

体力 10

知力 10

魔力 1

敏捷力 1

運 1

<分裂>lv1

<吸収>lv2

<HP自動回復>lv1


弱い。

だけど体力だけはあるな。

普通のスライムは不透明なゼリー状の不定形だが、もっと弾力がある様に見える。色はダークグレーという感じだろうか。


初級とはいえ、最初の召喚がスライムなのはどうかと思う。

だけど、最初の召喚だからこそ契約したい。


「お前の名前は『アッシュ』だ」


召喚の魔法陣が強く光り、契約が完了したことを教えてくれる。


アッシュさんの吸収を確認したいのだが、帝都の側は不便だ。吸収させる魔物がいない。わざわざスキルに吸収があるのだから、ただの消化でないと思いたい。


俺はクレアとマリアを帝都に戻らせ、自分はオーユゴックの自宅に<転移>する。あ、MPが2倍消費されてる。


そこから西の魔の森に向かう。


魔の森は相変わらず魔物でいっぱいだ。

とりあえず、手近なゴブリンを倒して、アッシュさんに吸収させる。


面白いことに、吸収するたびにアッシュさんの身体lvが上がっていく。




最終的にlv23まで上がった。


身体lvが上がると、念話の様なものが使えることがわかった。おそらく<召喚魔法>の効果だろう。はっきりとは書かれていなかったが、魔物の気持が理解できる、という表現があった。このことだろう。


「、、、アッシュ、、、元気、、、」


知力が上がったら、もっと流暢に話すのだろうか?魔物の生態がわかってないので、はっきりとは言えないが、ゴブリンロードとかになると、人の言葉を解するものもいるらしいので、可能性はある。


俺はアッシュさんに固くなる様に伝えると、腰にへばりついたまま固くなった。いざという時には防具になってもらおう。


こうなると、スライムがハズレじゃなくて、実は当りだったんじゃ無いだろうか?


これは中級も楽しみになってきた。



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