144 初級ダンジョン (1)
「よし、ダンジョンに行こう!」」
「突然どうされたんですの?」
「ああ、昨日聞いたんだけど、帝都の近くに、初級ダンジョンがあるらしいんだ。すでに踏破されているけど、下層にいけば、フォレストジャイアントとか、今まであったことのない魔物がいるらしいんだ。
初級だから、俺たちでもいけるだろうし。みんなのレベル上げにもなるしね。と言うか、そっちがメインかな?こないだのSランク依頼、いけなかったって残念がってただろう。ここでみんなのレベルを上げておけば、今後そう言うことも減ると思うんだ」
「それは良いが、初級か?私たちには物足りないのでは?前回行ったのは中級だったし」
クレアは自身があるらしい。
「それは行ってから考えればいいさ。踏破しちゃっても良いみたいだし」
「私は構いませんが、初級でレベル上がるかしら?」
リリアもレベルが上がるか疑問らしい。
「それもやってみないと分からないさ」
「私は良いと思いますわ。とりあえず初級、と言う感じで。初級に行ってみて、物足りなければ、中級に挑めば良いですし。まずは試してみませんと」
メアリーは賛成と。
「マリアはどうだ?」
「お食事はお任せください」
微妙にずれてるが、賛成と。
「と言うわけで、目指せ初級ダンジョン踏破、と言うことで」
「ジン様がそう言うんでしたら。。。」
「わ、私も反対なわけではありませんわ。ちょっと疑問に思っただけで。。。」
リリアとメアリーも賛成に変更と。
俺たちは帝都の北西にある初級ダンジョン、リベロの街に来ていた。馬車で1週間ほどだ。
帝都の近くは治安が良くて助かるね。盗賊とか出ると面倒だし。もうちょっと西に行くと西の森があるから、魔物の警戒も必要だけどね。
冒険者ギルドで、ダンジョンの情報をもらいに行く。
「Sランクのジンさんですね、ここは初級ですがよろしいですか?」
「ああ、俺のレベル上げじゃなくて、連れのレベル上げですから」
「そうですか。ここのダンジョンは風の属性だと言われています。最初の10層は洞窟型ですが、10層台は森林型です。有名どころではフォレストジャイアントなどが出ます。他にも昆虫型なども出ますので、注意が必要です」
「他にも注意事項はありますか?」
「いえ、これくらいですね。踏破してもらっても構いませんが、ダンジョンコアは破壊しないようにお願いします」
「破壊するとまずいんですか?」
「はい。ダンジョンから魔物が出なくなってしまいます。そうなったらこの街はやっていけませんので」
なるほど、ダンジョンに依存している街だから、なくなったら困ると。
それにしても、ダンジョンコアか。そんなものがあるんだね。最初に踏破した人は破壊しなかったみたいだけど、当時から破壊しないように言われてたのかな?
「ダンジョンコアを破壊しないと言う不文律でもあるんですか?」
「はい、ダンジョンは資源と考えられていますので、帝国の方針として、ダンジョンコアは破壊しないように、とされています。国の資源を奪う行為ですので、犯罪に当たります。
他の国でも似たような不文律はありますので、ご注意ください。事前にギルドで聞いていただければそれぞれのダンジョンの方針を聞けるかと思います」
「了解です」
俺たちは宿をとってから、ダンジョン探索用の必需品を買いに出た。
「マリア、食事関係は任せて良いか?」
「もちろんです」
「じゃあ、クレアはマリアと一緒に行ってくれ。
リリアとメアリーは俺と一緒に各種アイテムの買い出しだ。マジックバッグがあると良いんだが。。。」
俺たちは道具屋に来ていた。
「マジックバッグはありますか?」
「はい、それが、先日まではあったのですが、国の方で全部買い上げられまして、現在は在庫がございません」
国がマジックバッグを?十分持っているだろうに。何かあるのかもしれないな。
「仕方ありませんね。それでは、今度ダンジョンに潜ることになったのですが、必要なものを見繕ってもらえますか?」
「承知しました。
まずは光石ですね。別れ道などにおいておき、帰り道をわかりやすくするものです。上層の方では使わないでください。多数の冒険者が光石を使うと、どれが自分たちのものか分からなくなりますので。
それから、ランタンやロープ、水筒や鍋、毛布あたりでしょうか。あとは素材を入れる袋あたりが必要ですかね」
「5人分ください。それと素材を入れる袋は大きいのをお願いします。フォレストジャイアントとか居るみたいですし」
「では、こちらになります」
「二人とも、武器と防具は揃ってるね?」
「ええ、家を出るときにもらってきましたわ」
「私も大丈夫ですわ」
「なら明日からでも、ダンジョンに潜れそうだな。マリアたちの方が問題なければ、明日から潜ろう」
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